韓国海軍・前艦長監修で潜水艦の構造から乗組員の行動まで完全再現
大ヒット映画『弁護人』(13年)のヤン・ウソク監督が放つ、緊迫と迫真の軍事エンターテインメント超大作『スティール・レイン』が、12月3日より全国ロードショー公開される。同作は韓国初の潜水艦映画『ユリョン』(99年)のヤン・ホンサムを美術監督、元韓国海軍のキム・ヨンウ前艦長を監修に起用しており、舞台となる原子力潜水艦をリアルに作り込んでいる。
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南北に分断されたまま長く冷戦状態が続く朝鮮半島を舞台に、韓国・北朝鮮・アメリカの3ヵ国の首脳たちが1人の北朝鮮高官の陰謀に巻き込まれたことから、歴史を揺るがす恐ろしい危機に直面するスリリングな骨太作品が誕生。脱出不可能な深海を航行する潜水艦、密室で繰り広げられる息詰まる心理戦と銃撃戦、浸水の危機と急減する酸素など、猛攻撃に晒される潜水艦に取り残された人々の物語が深く熱く交錯していく。
米朝の間で調停役を担う韓国大統領役のチョン・ウソンは、国家のトップとしての卓越した理性と、一家の主である父親としての人間味にあふれた両面を披露。目的達成のためなら無慈悲な行為も躊躇しない北朝鮮高官に扮したクァク・ドウォンは、威圧的な愛国者を熱演。北朝鮮の最年少指導者をユ・ヨンソクは、瞳に炎を宿したかのような気迫と共に演じてみせた。自己中心的な米大統領に扮したアンガス・マクファーデンや、日本の名優・白竜なども加わり、実在する各国首脳を彷彿とさせるキャラクターを個性的に演じている。
監督・脚本を務めたのは、観客動員数1100万人突破の大ヒットを記録した実話映画『弁護人』(13年)のヤン・ウソク。ウェブコミック作家でもある自身の原作「鋼鉄の雨」シリーズは累計6000万回の閲覧を記録し、自らメガホンを取り映画化した『鋼鉄の雨』(18年)の主演チョン・ウソンとクァク・ドウォンを再び起用。さらに世界観を広げた“全く新しい内容”で本作を完成させた。
全世界が注目する「平和協定締結」に向け、韓国大統領ハン、北朝鮮委員長チョ、アメリカ大統領スムートによる首脳会談が北朝鮮で開催された。米朝間の意見が割れるなか、核兵器放棄と国交正常化に強く反対する北朝鮮の護衛司令部パク総局長による軍事クーデターが突如勃発し、3首脳は弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦「白頭号」に拉致監禁されてしまう。今にも核戦争に発展しうる緊迫状態のなか、国家の威信と野心をかけた者たちの思惑が交戦し、逃げ場のない潜水艦は戦場さながらの激闘へと突入していく。
韓・朝・米の首脳3人が監禁された原子力潜水艦「白頭号」のリアルな映像は、美術監督ヤン・ホンサムによって作られている。ヤンは1999年の韓国初の潜水艦映画『ユリョン』(99年)に特殊効果スタッフとして参加し、本作ではその時の経験を細部にわたりパワーアップさせ、迫力満点のリアルな映像を生み出すことに成功した。また、「白頭号」のリアルなセットは、「北朝鮮ならば、ロシアの潜水艦をモチーフに自主的な変形を加えて作ったであろう」という前提のもと、セット制作だけで丸々2ヵ月がかけられ、潜水艇のセットだけで約20億ウォン(=約2億円)の予算が費やされた。
さらにセットの各種デバイスや内部デザインを原子力潜水艦の機能に見合ったものとするため、実際に韓国海軍に服務していたキム・ヨンウ前艦長を監修に起用し、プリプロダクションから撮影中も現場に常駐してもらい、詳細にわたって正確なアドバイスを受けながら撮影を進めた。そのアドバイスは潜水艦の構造のみならず、乗組員役の俳優たちの行動やライフスタイルにまでおよび、ヨンウ艦長が「全員、今すぐにでも潜水艦乗組員として服務がこなせるほどだ」と合格点が与えられるほどの完成度の高さとなった。
『スティール・レイン』は12月3日より全国ロードショー。
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