オンライン動画配信サービス「Hulu」が、35歳以下を対象とした新世代の映像クリエイター発掘&育成プロジェクト「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ(通称:HU35(エイチユーサンジュウゴ)」の5名のファイナリストたちがグランプリを競う作品の第1弾映画『脱走球児』のキャストなどを発表した。
・映画『脱走球児』キャスト写真およびその他メイキング写真などはこちら!
35歳以下の若手が短編映画を製作! Huluで配信へ
本プロジェクトは、応募資格「35歳以下」でプロ・アマ問わず参加でき、選考を経て選出された5名のファイナリストは、制作費1000万円とプロの映画制作チームのサポートを受け、自身がプレゼンした短編企画を監督として制作。完成した5作品は、ファイナリストたちの制作過程に密着したドキュメンタリー番組とともにHuluで配信され、5作品の中から最終審査によってグランプリ作品が選出される。グランプリ受賞者には、賞金100万円とHuluオリジナル新作の監督権が贈られる。
8月3日に実施された「ファイナリスト選考会」で、本プロジェクトの審査員である映画監督の沖田修一(審査員長)、女優の橋本愛、劇作家で小説家の本谷有希子、芸人・脚本家のシソンヌじろうの4名が、849の応募企画から審査を通過した10名の候補者のプレゼンを受け、ファイナリスト5名を選出した。
「ファイナリスト選考会」での選考後、映画制作のプロのサポートを受け、約2ヵ月にわたって脚本づくりと制作準備を進めてきた5名のファイナリストたち。自らが監督・脚本を務め、Huluで配信する「短編作品」を完成させるべく、トップバッターとしてクランクインしたのは『脱走球児』の近藤組。近藤啓介監督が描くのは、真面目に練習に取り組めばレギュラーになれると信じ、日々努力を惜しまなかった強豪校の高校球児2人が、あるきっかけで「努力が報われない」ことに気がつき、野球以外の新しい青春を謳歌しようと寮から逃げ出す。今まで野球しかしてこなかった2人が、脱走した1日に体験した様々な出来事を通じ、自分と向き合う姿をオフビートな笑いで紡ぐ青春ドラマ。「突然、自分に向いているのか? なぜこれを続けているのか? いまやっていることが本当に好きなのか?」という誰にでも、何歳でも起こりうる瞬間を肯定する青春応援映画を目指したという。
『脱走球児』近藤啓介監督、キャスト陣と一緒に坊主に!
同作を監督した近藤啓介は、1993年生まれ、大阪出身。大阪芸術大学映像学科を中退後、映画監督として活動し、ファイナリスト選考会では、審査員の満場一致で真っ先に選ばれた。最終選考のプレゼン時にはゲタで登場、クランクイン前の安全祈願では、伸びた髪がハネていたり、ちょっと遅れ気味に到着するなど、全ての行動が天然でナチュラルであるがゆえに天才肌を感じさせる。
本作撮影前に監督自身も坊主頭になって気合をいれ、本番撮影に挑んだ。スタッフには『ミッドナイトスワン』(20年)の撮影・伊藤麻樹、照明・井上真吾らが参加しており、映画のプロのスタッフと制作することについて近藤監督は「本当にいい映画を作りたいという思いを持った方ばかりで、仕事と割り切らず自ら自分の首を絞めても、誰一人妥協しようとしないのが凄いなと刺激を受けています」と話し、無事クランクアップを迎えると「とにかく全力でした。短い撮影期間でしたが、あまり覚えていないくらい全力でした。ただ撮影中にいっぱい笑ったことは覚えています。そんな日々の中。どういうわけか、自分でも手に負えないくらい変で特別なものができた気がします。青春ってそういうことな気もします。楽しみにしておいてください!」とコメントした。
『脱走球児』でW主演として脱走する球児を演じるのは、『サイレント・トーキョー』(20年)や『風の電話』(20年)などに出演する若手俳優・櫻井健人(さくらい・けんと)と、2018年から3年間にわたって『おとうさんといっしょ』にレギュラー出演し、ドラマや映画、舞台などに活躍の場を広げている若手俳優・木戸大聖(きど・たいせい)の2人。
本田セイジ役を演じた櫻井は本作を振り返って「『脱走球児』の撮影は、クランクアップしてから数週間経った今でも、撮影が続いている夢を見る程、濃密な時間でした。近藤監督の独創的なアイディアや諸先輩方の芝居に心揺さぶられ、ワクワクしながら熱く、全力で駆け抜けました。」とコメント。
遠藤まさお役の木戸は「毎日が体力勝負の撮影でした。公道や山道など、とにかく息を切らしながらたくさん走りました。読み合わせ直後に監督が気合入れのために頭を坊主にした時は、この作品にかける監督の思いをストレートに感じて、僕も遠藤を演じさせてもらう以上、監督のその熱い想いに応えたいと思いました。決死の思いで脱走する2人、そして外の世界に出て2人がどうなるのかを楽しみに見ていただけたら嬉しいです」と話した。
その他、話題作『ベイビーわるきゅーれ』(21年)の浜岡一平役で、圧倒的な存在感を示し再注目される本宮泰風、女優として様々な作品に引っ張りだこの濱田マリ、連続テレビ小説『おかえりモネ』の百音の同級生・三生役で出演した前田航基、『佐々木、イン、マイマイン』(20年)で佐々木を演じ評価される細川岳らが脇を固める。
本宮は「高校球児が主人公ということで、坊主頭にしたキャストが多くいた。すると監督も坊主頭で撮影現場に現れた。一瞬にして役者の信頼を得ることになる。若い監督にもこういう人間がいるのかと思った。こういう人間性は必ず映像の中に映し出される」と近藤監督の人間性を絶賛。濱田も「いろんな球児クンがいて、とっても素敵。とってもキュート。登場人物のしぐさや癖に非常にこだわる、近藤監督の演出の癖が好きです」とコメントしている。
若手クリエイターたちの戦いははじまったばかり。ファイナリスト5名の監督たちの各作品は、制作過程に密着したドキュメンタリー作品と合わせて、2022年2月頃からHuluで配信され、グランプリ最終選考会&授賞式は3月開催予定。
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