過去最高の作品数!社会に切り込む注目作が勢揃い
今年で第4回を迎える「東京ドキュメンタリー映画祭2021」が、12月11日から12月17日までの7日間、新宿K’s cinemaにて開催される。会期スタートを目前に、映画祭特別動画と審査員、ノミネート監督によるコメント、「人類学・民俗映像部門」コンペティション受賞作品が先行発表された。
ドキュメンタリー映画監督の北村皆雄は「今年から新設のこの部門のコンペ受賞作に、日本の民俗誌映画の先駆者の名を冠した『宮本馨太郎賞』を贈る。どの地域にも興味深い自然・風土・生活・民俗・行事があると、昭和初期から「郷土映画」を構想し、自らも日本とアジアを歩いて記録した人である。今回、日本の映像人類学者、研究者、映画制作者のほか、海外からの応募もあり40本を超えた。映画としてのおもしろさと人類学・民俗学的な切り口、価値を兼ね備えた作品を選考した」とのコメントを残した。
先行発表された「人類学・民俗映像部門」コンペティション受賞作品をは、以下の作品。
・グランプリ 『銀鏡 SHIROMI』(21年/113分)赤阪友昭監督
・準グランプリ 『アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペツコタン』(21年/64分)藤野知明監督
・奨励賞 『風苗』(20年/46分)白井樹監督
審査員:中沢新一(思想家・人類学者)、北村皆雄(ドキュメンタリー映画監督)
短編コンペティション部門ノミネート監督の粂田剛(映像ディレクター・ドキュメンタリー映画監督)は「昨年の第3回東京ドキュメンタリー映画祭で上映された作品の中で実に7本が一般劇場公開された。今年もきっと多くの映画がこの映画祭から羽ばたいていくだろう。自分の作品だけでなく、世界から届く色々な“声”に耳を傾けたい。祈りの声、諦めの声、声にならない声……。大きな声が幅を利かせる世の中だけど、小さな声を大切にする『映画』を信じて、新宿K’s cinemaでお待ちしています」と語る。
コロナ禍の困難な時代に監督たちと観客の出会いの場をつくる!
映画、テレビ、ネット動画の枠を超えたドキュメンタリー作品を特集上映する「東京ドキュメンタリー映画祭2021」。
4年目にして過去最高の200作品以上の応募が集まったメインのコンペティション部門では、長編10作品、短編30作品のノミネート作を上映する。
日本最西端の与那国島、北方領土の国後島やアイヌ民族など日本国内の多様な文化の現在のほか、コロナ禍の芸術家、医療従事者、多彩な性、そしてマニラの格差問題やシリアの移民、インド、トルコの伝統など、激しく移ろう現代社会にふみこむ力作が揃った。
また、新設の「人類学・民俗映像部門」コンペティションではペルー、エチオピアの儀礼や祭など選りすぐりの7作品を上映。奥深い映像史の領域に踏み入る。
その他、特別プログラムでは高校生が制作・話題の『北園現代史』などをピックアップした。
個人の映像制作が可能になった現在、ドキュメンタリー表現のスタイルは多様化。正統派のテレビ番組や記録映画の手法を使うものから、現代アート、YouTube、MV、SNS、フェイク・ドキュメンタリーを取り入れたものまで、いま国内で撮られている様々な作品が一堂に会する。
多様化ドキュメンタリー作品が一堂に!
・特集 シャーマニズム①
『冥界婚』:監督=北村皆雄/18年/104分
韓国には、独身で亡くなった男と女を死後に結婚させる風習がある。本作品では、遠洋漁業で死んだ34歳の男と、失恋で自殺をした27歳の女性を、金石出というムーダンが冥界婚させる。シャーマンが口寄せし、性の霊が従兄に憑依して自己の死の詳細を語るシーンは圧巻。死者と生者の感情が交錯し、哭きと恨のめくるめく世界が現出する。
・特集 シャーマニズム②/憑依する精霊たち
『オロッコ・ギリヤークの生活』:監督=宮本馨太郎/38年/18分
『呪術師の儀礼 タンザニア』:監督=松永由佳/21年/8分
『神が宿る供物~ネパール・パタンのパンチャリ・ブザ祭り~』:監督=山上亜紀/21年/18分
『憑依の宴 ジャワ島のジャティラン』:監督=金子遊/21年/15分
『ドゥグ ガリフナの祖霊信仰』:監督=冨田晃/21年/39分
樺太先住民のシャーマンを撮った『オロッコ・ギリヤークの生活』、タンザニアの女性が呪術師になる過程を記録した『呪術師の儀礼』、ネパールの秘祭と精霊が宿る供物に迫る『神が宿る供物』、青年たちが動物霊に憑依されて失神する『憑依の宴』、カリブ海のガリフナ人の祭儀を撮った記録『ドゥグ』。精霊と人との交信を描く5本だ。
・特別① ハイスクール2021
『アーク&マヤ:All Mixed Up』:監督=三浦アーク、江藤まや/21年/15分
『北園現代史~自由の裏に隠された衝撃の実態~』:監督=中村眞大/21年/76分
高校生が制作した2本の新鮮なドキュメンタリーを特別上映。ミックスの2人が、学校や日常での葛藤を共有しながら創作に励む姿を描いた『アーク&マヤ: All Mixed Up』。
『北園現代史』は、教員の頭髪指導強化に危機感を抱いた都立高校の生徒たちが、スクールカラーの「自由」について、OBや教員に広く話を聞き、考察する意欲作だ。
・特別② 至極の美術工芸
『うちはの出来るまで』:監督=宮本馨太郎/30年/12分
『むんじゅる笠 瀬底島の笠』:監督=城間あさみ/21年/92分
千葉県千倉町においてうちわの制作過程を記録した映像を、兄が弟に見せる劇中劇に仕立てあげた伝説の民俗誌映画『うちはの出来るまで』。
沖縄県瀬底島で、唯一の作り手となった大城善雄の笠づくりと生活を記録した『むんじゅる笠』。美術工芸の名人芸に迫るだけでなく、真摯に向きあう職人の姿をイメージに焼きつけた至極の2編。
・人類学・民俗映像部門 コンペティション①
『スーパ・ライメ』:監督= 藤川史人/20年/103分
南米ペルーのアンデス高地で牧畜を営むスーパ・ライメ一家。親子6人、リャマとアルパカ200頭、羊15頭、ニワトリ5羽、馬とロバ。ある日、一家はふもとの村に移住することになるが……。PFFなどで高く評価される藤川監督が、およそ一年半にわたって遊牧民の営みを記録。美しいロングテイクが観る者を南米の時空へいざなう。
・人類学・民俗映像部門 コンペティション②
『銀鏡 SHIROMI』:監督= 赤阪友昭/21年/113分
宮崎県の奥日向にある銀鏡の里。農家の人たちは柚子や唐辛子を育て、加工までを担っている。過疎化の波にさらされながらも、森に住む動物たちや山の恵みを感じる土地。年に一度、神聖なる自然と人間が一体になるのが、銀鏡神社に古くから伝わる「星の神楽」。そのために舞を稽古し、祭りを準備する人たちの姿を丁寧に描く。
・人類学・民俗映像部門 コンペティション③/エスニシティの現在
『アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペツコタン』:監督=藤野知明/21年/64分
『風苗』:監督=白井樹/20年/46分
伝統的な土葬の儀礼をおこない、古老から若者へ言語や文化が継承されるさまを記録した『アイヌプリ埋葬』。カレン族が暮らすタイの山村で伝統が失われ、観光化が進む現在を見つめる『風苗』。辺境地域にも押しよせる現代文明によって失われる伝統文化と、自らのエスニシティを守り、受け継ぐ人びとの姿を映しだす2作品。
・人類学・民俗映像部門 コンペティション④/祭祀のエクスタシー
『アシェンダ! エチオピア北部地域社会の女性のお祭り』:監督=川瀬慈/20年/38分
『神授の花 – フェルガナの女性とイスラーム』:監督=I・メリコズィエフ/21年/23分
『スルンベ マダガスカル南西部の憑依儀礼』:監督=飯田卓/21年/48分
エチオピアの少女たちが華やかな衣装で着飾り、喜捨をもとめて歌い踊る風習を撮った『アシェンダ! 』。ウズベキスタンのムスリム女性が楽しむ春の祝祭を記録した『神授の花』。マダガスカルの漁村でおこなわれる憑依儀礼を、ひとりの霊媒の男に焦点をあてて描く『スルンベ』。映像人類学がフィールドでとらえた祭祀を紹介する。
・人類学・民俗映像部門 コンペティション
長編①『Yokosuka 1953』:監督=木川剛志/21年/106分
1947年、戦後の横須賀に日本人の母と外国人の父との間に生まれた木川洋子(Yoko)は、当時の過酷な状況下、養子縁組でアメリカへと渡り母との離別を余儀なくされた。母はどのように生きたのか、SNSをきっかけに彼女のルーツ探しがはじまり、横須賀~アメリカ~八王子をたどる映画には、奇跡的ともいえる出会いが描かれている。
長編②『ベイウォーク』:監督=粂田剛/21年/90分
マニラ有数の観光地でホームレスの寝床でもあるベイウォーク。作者はそこで眠る1人の日本人と出会った。事業の失敗で全てを失い何年もここにいると言う男を撮影する一方、第二の人生を求め高層マンションを購入したもう一人の日本人にもカメラを向け始めるが……。マニラの喧騒に流れ着いた男たちの、葛藤のルポルタージュだ。
長編③『再びおかえり』:監督=マルコス・ヨシ/21年/105分
幼少期から思春期まで13年にわたり、出稼ぎに行った両親と離れブラジルで暮らしたマルコスと妹2人。子どもたちの教育費を捻出するための出稼ぎだったにもかかわらず、空白の時間は「子ども達との絆」を失わせてしまった。家族の絆を築き直そうと奮闘する日系ブラジル人家庭の悲喜こもごもの日常を描くセルフドキュメンタリー。
長編④『クナシリ』:監督=ウラジーミル・コズロフ/日本語版・21年/71分
ベラルーシに生まれ、フランスを拠点とするコズロフ監督は北方領土・国後島を訪れ、その現状を見つめる。日本人が残した生活用具を掘り起こす男をはじめ、国境政策に翻弄された住民たちの生活は決して安泰とは言えないながらも、海の雄大さをはじめ自然の美しさを見逃さない監督のまなざしには、不思議と暖かさも感じられる。
長編⑤『大鹿村から吹くパラム』:監督= 金明允(キム・ミョンユン)/21年/87分
今は亡き原田芳雄が10年前に大鹿歌舞伎を知らしめた大鹿村はリニア工事により自然環境が危機に瀕していた。偶然の出会いから大鹿村を知った監督は前半ではイギリス人の暮らし方を中心に魅力的に描き、後半ではスローガン「リニアは理に合わない」に沿った住民運動を映し出す。題名に大鹿村に吹く風と今後への願いを込めた渾身の作品。
長編⑥『であること』:監督=和田萌/20年/94分
LGBTQ、マイノリティとひとくくりにされる人たちに、本当のところを聞いてみたい。インティマシー・コーディネーターの西山ももこは8月の10日間、僧侶でメイクアップアーティストの西村宏堂、ドラァグクイーンのビビー・ジェローデルら9人と対話する。9人の自分自身「であること」を見つめ、十人十色な人の生へと迫る作品。
長編⑦『ヨナグニ』:監督=A・ハムゼヒアン、V・モルタロッティ/21年/77分
与那国島の久部良集落にイタリアからのクルーが入り、中学校の生徒たちを撮影したダイレクト・シネマ。島には高校がなく、卒業すれば沖縄や内地に進学することに。揺れる思春期の生徒たちの姿を、授業、部活、放課後の遊び、本音が漏れる会話を美しい構図で撮る。島の方言も失われつつあり、国境の島の現在が伝わってくる好編。
長編⑧『#まなざしのかたち』:監督=澤崎賢一/21年/124分
アフリカ諸国やアジアを舞台に、文化人類学者の清水貴夫と農学者の田中樹のフィールドワークから始まるロードムービー。学者としてのまなざしはいつしか撮影者や東京でモニターを見つめる編集者の目線と多重層的に交わり、世界の複合性を織り成す。雄大な自然のロングショットや現地の何気ない生活風景が心地よく流れる。
・長編コンペティション
長編⑨『故郷とせっけん』:監督=八島輝京/21年/131分
伝統産業のせっけん製造が有名な、シリア・アレッポでせっけん工場を経営していたカダハ家。しかし、アラブの春を端緒とする戦闘の拡大で、一家は国境を越えての移動を余儀なくされる。国境を越えてなおトルコで続けられる一家のせっけん作りの営みに、彼らの日々の想いが切実に、丁寧に織り交ぜられる渾身のドキュメンタリー。
長編⑩ 『2020年 東京。12人の役者たち』:監督=松本動/21年/119分
コロナ禍の状況にあって、役者は何をおもうのか。12人の役者がスマートフォンを手に、表現者として生きることの葛藤、意志を自ら撮影した映像の数々が、1本の映画へと織りなされる。彼女彼らの日々は現実なのか虚構なのか。短編劇映画をも本編に収め、コロナ禍の状況に対峙する役者たちの現在、リアルを炙りだす意欲作。
・短編コンペティション
短編① 異文化で暮らす
『日本の中の小さな異国』:監督=藏岡登志美/20年/20分
『彷徨』:監督=岩崎祐/2021年/27分
『ブラジル ノ ニッポン~ある家族の記録~』:監督=若尾泰之/2020年/47分
東京の朝鮮学校の学芸会に密着し、アイデンティティの問題に迫る『日本の中の小さな異国』。旧ユーゴ出身の不法移民が入管局による収容を経て、人々の助けを受ける『彷徨』。岐阜県の工場で派遣切りにあったブラジル人一家に、次々と試練が襲いかかる『ブラジルノ ニッポン』。日本という異文化を生きる人達を撮った3本。
短編② いのちと医療従事者
『小さないのちと家族の時間~NICU面会制限の1年~』:監督= 笹谷有佳里、西原英典/21年/52分
『親のとなりが自分の居場所~小堀先生と親子の日々~』:監督= 下村幸子/21年/59分
いのちが限られた中、どのように大切な人との関係を結ぶか。『親のとなりが自分の居場所』は高齢の終末医療患者と、仕事を持たずに家にこもり続ける息子の関係の変化を描き、『小さないのちと家族の時間』は長くは生きられない難病を抱えた新生児の両親が、在宅医療を選択する過程を描く。彼らが生活の中で見つけたかけがえのないものとは……。
短編③ コロナ禍を生きる
『コロナとアーティスト』:監督=鈴木智/21年/35分
『東京リトルネロ』:監督=松井至、内山直樹、久保田徹/20年/49分
2020年に発令された緊急事態宣言中の東京にカメラを向け、“夜の街”や生活困窮者たちの叫びを記録した『東京リトルネロ』。同時期、活動休止を余儀なくされた宇都宮の小劇場とアーティストたちの姿から、いま表現することの意味を問いかける『コロナとアーティスト』。コロナ禍で生き方を模索する人々を追った2本。
短編④ 身体パフォーマンス
『ウィークリエイト・スペイシーズ―リムリック』:監督=ヘイケ・セルザー&アナ・ベーア/20年/3分
『4』:監督=マリアナ・パラシオス/20年/12分
『UTURU』:監督=今野裕一郎/21年/48分
『春の祭典』:監督=梁鐘譽&アトム/21年/44分
大駱駝艦で活躍する奇才と映像作家による幻想譚『春の祭典』。知床で新たな音を探し求める音楽家を追う『UTURU』。歴史的な街リムリックでの詩的で視覚的なポートレート『ウィークリエイト・スペーシズ―リムリック』。音楽と身体の関係を考察する『4』。映像表現と身体表現の邂逅が生み出す表現の可能性がここにある。
短編⑤ 戦時下の異邦人
『日本で夢見た女性パイロット~朴敬元の生涯~』:監督=李有斌/21年/28分
『秘話~「知覧」にある米兵慰霊碑~』:監督=佐藤仁紀/21年/30分
『夜は隠す/Missing』:監督=吉田真也/20年/28分
戦前、墜落死という最期を迎えた朝鮮人女性民間パイロットの生を韓国人女子大学生が辿った『日本で夢見た女性パイロット』。「特攻の地・知覧」の片隅に建つ、かつての敵国兵士を悼む慰霊碑を巡る物語を追う『秘話』。『夜は隠す/Missing』は戦中期の蜂起事件や今日の労働者を闇という視点から連ねて描いたシネ・エッセイだ。
短編⑥ かぞくのかたち
『あなたたち』:監督=市川昂一郎/20年/44分
『トオイと正人』:監督=小林紀晴/21年/63分
旧残留日本兵だった父と、ベトナム系タイ人の母との間に「トオイ」としてタイで生まれ、やがて日本で写真家となった瀬戸正人がかつての記憶を探る『トオイと正人』。実の両親へカメラを意識させながら撮影することで見えてくる、ささやかな日常の愛おしさを反芻する『あなたたち』。家族の数だけ、多様な表現のかたちがある。
短編⑦ それぞれの居場所
『町の夜行者』:監督=陳鵬瑞(チン・ホウズイ)/20年/7分
『15,000:1 – タイタニック号模型のスクラッチビルド』:監督=ダン・パークス/21年/10分
『オレやりたい!~ダウン症と生きる あっきーの挑戦』:監督=福田みなみ 21年/29分
『本とオペラ~消えていく人~』:監督=若泉政人/21年/63分
中国の街で深夜の牛乳配達に励む男の誇りと呟き。「タイタニック号」の模型ばかりを作り続けるマニアの鮮やかな手さばき。周囲の人々に支えられ、ボクシングやダンスに挑戦するダウン症青年の奮闘。地方都市で守り続けた書店を畳む老店主の書や街への思い…それぞれの居場所から聞こえてくる、人間の息づかいを記録した4本。
短編⑧ アート/ドキュメンタリー
『ラ・ブソル La Boussole』:監督=七里圭/21年/8分
『食火』:監督=ジョイス・ラム/20年/11分
『透明な私』:監督=村岡由梨/20年/11分
『不在の存在』:監督=山川智輝/21年/12分
『ワン・デイ』:監督=ジン・ジャン/20年/24分
『30歳の旅At the Age of…』:監督=ヨハン・ジャン/20年/47分
瀬戸内の火の祭から想起する人間の原始、山道を歩く老人の背中を追うワンショットのカメラ、パンデミックで航路を失った人々を導く羅針盤。異国で30歳を前に揺らぐアイデンティティ、激動の2020年に自己を見つめる私と家族の唄、朽ちた場所から匂う往時の気配。日本のみならずアジア各国から届いた、独自の作風が際立つ作品の数々。
短編⑨ アイヌとしてのアイデンティティ
『ポネオハウ―アイヌの私―』:監督=広瀬久美子/21年/25分
『カムイ レンカイネ』:監督=酒井直之/21年/41分
アイヌというルーツと向き合う女性の思いや、作り手との交流を描いた2本。『ポネオハウ』は、アイヌ料理店を切り盛りする女性の暮らしに寄り添い、何気ない所で受けてきたこれまでの差別への葛藤を聞く。『カムイ レンカイネ』は、阿寒湖畔で観光用の舞踊を踊る踊り子との意識の溝を、監督が身体表現を使って埋めることを試みる。
短編⑩ クルドの歌声、インドの生地
『アイ・ウォーク』:監督=小谷野五王/21年/21分
『地図になき、故郷からの声』:監督=中島夏樹/21年/60分
クルド語が禁じられてきたトルコにおいて母語のクルド語で歌い続けた語り部・歌い手。今、日本でも紡がれるクルド人の新たな物語を追う『地図になき、故郷からの声』。かつてインド独立運動の象徴ともなった手紡ぎ・手織り布カディ、その意義とともに共同体を生きる一人一人の個性を映し出す『アイ・ウォーク』。土地の歴史と現在を問う2作。
「東京ドキュメンタリー映画祭2021」は、12月11日から12月17日まで、新宿K’s cinemaで開催される。
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