Coccoが初主演し、第68回ヴェネチア国際映画祭でオリゾンティ部門最高賞を受賞した 『KOTOKO』。この映画の初日舞台挨拶が4月7日にテアトル新宿で行われ、塚本晋也監督が登壇した。
塚本監督は「長年ご一緒したかったCoccoさんと作った映画が、ついに初日を迎えられて感無量です。今日は朝から緊張しました」と挨拶。ヴェネチア国際映画祭での上映を振り返り、「たくさんの温かい拍手をいただき、スタンディングオベーションもいつまでも続いて、劇場の人が僕に『もうこの辺でストップしてください』と言いにくるほどでした。そのときは呆然としていたのですが、後から喜びが沸いてきました」と話すと、「日本では見た後に感想を言いながら泣いてしまう人や青ざめている人がいて、すぐに言葉が出てこないことが多かったです。でも2〜3日経ってから、熱い感想がガーッと寄せられたり」と、国によって異なる観客の反応について語った。
また、「先行上映では観客が笑っていたが」という質問には、「ギャグは入ってます。キートンとかチャップリンの古典的なやつ。笑っていただけると僕も嬉しいです」と回答。
本作に込めた思いについては「“無”からCoccoさんの話を聞いて始まった企画ですが、聞いているうちに大事なテーマが浮かび上がってきました。愛する人を守るのがどんどん難しくなっていく時代に、自分たちはどうしていったらいいのか。自分とCoccoさんの状況、震災が起こったこと。いろいろなことがその一瞬のタイミングでしか生まれ得ないものでしたが、逆に普遍的な作品ができたと思っています。Coccoさんが、絵空事ではない人間の明部と暗部を体現し、不安な時代を生きる女性を生き生きと表現してくれました」と話していた。
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