コロナ禍の中、完成! ロッテルダム国際映画祭にも正式出品へ

香港・日本合作ドキュメンタリー映画『Blue Island 憂鬱之島』が、オランダで1月26日~2月6日(現地時間)に開催される第51回ロッテルダム国際映画祭のブライト・フューチャー部門(Bright Future)に出品されることが決定、あわせて2022年に東京・渋谷のユーロスペースで公開されることが決定した。

・香港・日本合作映画『BlueIsland 憂鬱之島』6日クラファン開始!

香港では14年の雨傘運動以後、一国二制度の理念と自由が徐々に蝕まれてきた。

そして、19年の逃亡犯条例改正案反対運動の200万人デモを経て、20年7月1日に施行された国家安全維持法により、加速度的に香港の中の自由空間が狭められてきている。

さらには、世界的な新型コロナウィルスの猛威も、容赦なく香港を襲った。

同作も度重なる撮影の延期、それにまつわる製作費の増大によって幾度となく困難な局面を迎えたが、ようやく完成した。

そして、インディペンデント映画の登竜門ともいうべきロッテルダム国際映画祭のブライト・フューチャー部門(長編第1作、2作目の新人監督が対象となる部門に正式出品された。

同映画祭は、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大に鑑み、現地開催は見送られたものの、一部のプログラムだけがオンラインで開催される。

日本での公開が決定した『BlueIsland 憂鬱之島』 (C)Blue Island 2022

(C)Blue Island 2022

中国の違う時代を生きた3人を融合させて描くドキュメンタリー

同作は、天安門事件を経験して自らを脱走兵と戒める林耀強、文化大革命から逃れるために命を懸けて海に飛び込み恋人と共に海を渡った陳克治、「中国人」から「世界人」となり、抵抗者から経済人へ変わった石中英と、違う時代を生きた実在する3人をドキュメンタリーとドラマを融合させて描いていく。

『乱世備忘 僕らの雨傘運動』(16年)のチャン・ジーウンが監督を務め、『十年』(15年)のプロデューサーであるアンドリュー・チョイと『地厚天高』(17年)を製作したピーター・ヤムが、香港サイドの製作を務めた。

また、日本サイドからは、映画配給会社・太秦の小林三四郎と弁護士の馬奈木厳太郎がプロデューサーとして参加している。

現在、日本では香港のニュースが少なくなり、関心が次第に薄れつつある。

香港で悪戦苦闘している仲間たちを支援するため、今回、日本サイドがハブの役目を担い、この日本からできるだけ広く世界へ、香港の人々がリアルに感じている閉塞感とそこから見出そうとしている希望を伝えていくだろう。

香港・日本合作映画『BlueIsland 憂鬱之島』は2022年、東京・渋谷のユーロスペースで公開される。