楳図かずお、85歳を迎え世界的評価が進む…恐怖マンガを経て大芸術の高みへ
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恐怖漫画の生みの親・楳図かずおによる、地上300mの芸術世界
「楳図かずお大美術展」が、1月28日より3月25日まで、東京・六本木の東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催される。
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小学校4年生からマンガ作品を書き始め、「まことちゃん」「漂流教室」など、ホラー、美少女もの、SFといったジャンルを超えたオンリーワンの“ウメズ・ワールド”で、漫画のみならず映画や音楽に至るまで築き上げた楳図かずお。本展覧会は、彼の作品の「比類なき芸術性」に焦点を当て、代表作を通じて気鋭のアーティストらとともにその世界観を表現しようとする「UMEZZ ART PROJECT」の一環だ。
楳図作品は、現在フランスで「へび女」「おろち」「漂流教室」「わたしは真悟」などが刊行。北米、イタリア、スペインなどでも作品が翻訳出版されるなど、85歳を迎えた楳図は、その作品が世界的な評価が高まっている。
また、代表作「わたしは真悟」は18年にフランス「アングレーム国際漫画祭」で遺産賞を受賞しているが、この度、アングレームからの熱烈なオファーを受け、特別に楳図がポスターを描き下ろした。22年に開催される「第49回アングレーム国際漫画祭」で展示、販売される予定となっている。
中川翔子、絶叫「世界中の全人類早く見て!」
開幕に先立ち行われたプレス向け内覧会のオープニングセレモニーでは、楳図と、楳図の大ファンを公言する中川翔子が登場。20年来の知り合いながら顔を合わせるのは約8年ぶりとあって、様々な思い出話が飛び出した。
中川が本展示会について、「印刷ではわからない筆使いや絵の具の発色の良さを感じることができます。新作は絶対に生で見てほしいので、展覧会に足を運んでみて欲しいです!」と見所をアピールすると、楳図は「新作の中身はもちろんですが、実は額縁にもこだわっているんです! 赤と緑を基調とした、存在感があるけれど、連作絵画にマッチしている部分もぜひ見てほしい」と展示にあたり吟味した点も付け加えた。
さらに、今回の新作を漫画ではなく101枚の絵画で発表した理由を問われた楳図は、「新しいことを目指す、ということで、漫画でもあり絵画でもある作品を作りたかった。漫画と絵画の両方の良いところを表現したかったんです」と説明した。
「間違いなくがっかりさせることのない展覧会です。ゆっくり見て、それを家に帰って考えて、楽しんでほしい。そしてそれをぜひ口コミで広めて欲しい!」と楳図がアピールすると、中川も、「進化し続ける楳図かずお先生の展覧会! 世界中の全人類早く見て! という気持ちです」と熱いエールをおくった。
27年ぶりの新作「ZOKU-SHINGO小さなロボット シンゴ美術館」
本展示会の最大の見所は、制作に4年の歳月を費やした新作「ZOKU-SHINGO小さなロボット シンゴ美術館」。1990年代の作品「14歳」以来、実に27年ぶりとなる。
この作品は、物語性を持つ点ではマンガと親和性はあるものの、101点から構成される各作品にはコマ割りがなく、1枚1枚がアクリルの絵画作品として制作されている。
また、テクノロジーについての作品を発表しているエキソニモが制作した『わたしは真悟』をテーマにしたインスタレーションも。
大量のケーブルが山積する空間に設置されたモニターに「わたしは真悟」の作中場面が映し出され、ガラスの向こうに悟と真鈴が頂上から救助ヘリに飛び移った東京タワーが視界に入るという、圧巻の展示空間になっている。
現実と虚構を往来するような作品を得意とする冨安由真は、楳図の新作が着彩される前の素描(鉛筆画)101点を展示する部屋全体の演出を手掛けると共に、部屋の中央には小部屋のような構造物を制作。
素描のモノクロームな世界と、夢の中にいるような光と影の空間演出が入れ子状になって交互に浮かび上がる。
鴻池朋子は、楳図作品と向き合うことを通じ、楳図の根底にある欲求やイメージを探りながら新作を制作した。
楳図の新作の素描にリスペクトを込めたドローイング「かずお14歳」や、楳図漫画に象徴的に登場する非常階段、「14歳」の終盤に登場する“ゴキンチの先生”の顔をオモリとして作られた振り子などで構成されるトータルインスタレーションを施した。
ここでしか買えない限定グッズやコラボグッズも!
会場内の特設ショップでは、新作「ZOKU-SHINGO小さなロボット シンゴ美術館」のほか、過去の楳図作品のビジュアルを使ったアイテムなど、展覧会会場限定オリジナルグッズを含む約190種類が販売される。また、グラフィックデザイナー吉田ユニとのコラボグッズも登場する。
「楳図かずお大美術展」が、1月28日より3月25日まで、東京・六本木の東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催される。
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