今日、2月14日はバレンタインデー! …だが、実は“煮干しの日”でもある。1994年に全国煮干協会が制定したこの日は、「に(2)ぼ(1=棒)し(4)」という語呂合わせから決まった記念日だ(ちょっと無理がある?)。
バレンタインデーにぴったりの映画は世の中に溢れていそうだが、煮干しに関連した映画にはどのようなものがあるのだろう。そこで今回は、「煮干し」が出てくる映画をご紹介しよう。
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すくうのは金魚ではなく!? 『すくってごらん』
本作は、とある失敗で左遷されたプライドは高いがネガティブな銀行員・香芝誠(尾上松也)が、都会から遠く離れた地で出会った“金魚すくい”を通じて、思いもよらない成⻑をしていく物語だ。
“金魚すくい”がテーマの本作には、思わぬところで煮干しが登場する。主人公・香芝が左遷先の歓迎会で金魚すくい大会に参加するが、気が乗らずに先に帰ってしまう。気疲れした様子の香芝が、帰ってきた寮の部屋で味噌汁を作るために煮干しを鍋に入れると、煮干しの一匹が泳ぎ出し、それを持ち帰っていたポイで金魚すくいさながらすくおうとする…というシーンだ。
途中で「1分20秒の休憩(?)」があったり、映画が終わる頃に「そろそろ映画が終わる」という予告をされたりとレアな演出の多い映画だ(急に現実に引き戻されるので、良いのか悪いのかはさておき…)。92分とコンパクトな上映時間で、テンポも良く気軽に見られる作品なので、“煮干しすくい”が気になる方はぜひ。
台所で煮干しの頭と腹わたを取る『この世界の片隅に』
本作は、第2次世界大戦中の広島・呉を舞台に、戦況が悪化していく世の中で、大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずの姿を描いた珠玉のアニメ映画だ。
女優・のんが主人公・すずの声を演じたことでも話題になった本作。“煮干し”が出てくるのは、すずが呉に嫁いで間もない頃。すずが台所で煮干しの頭と腹わた取りをしていると、義理の姉である径子が帰ってくる。「ボーッと」したすずが気に入らない様子の径子は、「もうええ。私がやるよ」と言って、すずの仕事を代わりにテキパキとこなしてしまう…というシーン。
本作には、料理をする場面がたびたび登場する。戦時中という厳しい状況下での料理だが、ネガティブには描かれておらず、少ない食材でも工夫しておいしく楽しく料理をしようとするすずの姿が心に残る。作中の「泣いてばかりじゃもったいない、塩分がねえ」というセリフのように、どんな状況下でも前向きに生きていくことの大切さを教えてくれる作品だ。
「煮干し」に注目して映画を見る方はなかなかいない気がするが、今回ご紹介した2作品を見るときは、ぜひ煮干し登場シーンに注目して見てみてはいかがだろうか。(Y)
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