名匠ジャンフランコ・ロージが語る“映画術”「私の仕事は『この人のことを語りたい』と思える人と出会うこと」
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2・11公開『国境の夜想曲』オフィシャルインタビュー
『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』(13年)『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』(16年)でベルリン、ヴェネチアを2作連続でドキュメンタリー映画で初めて制した名匠ジャンフランコ・ロージ監督の最新作『国境の夜想曲』が2月11日から、全国で公開される。
『国境の夜想曲』は、ロージ監督が3年以上の歳月をかけて、イラク、シリア、レバノン、クルディスタンの国境地帯で撮影した。ここでは2001年の9.11アメリカ同時多発テロ、10年のアラブの春に端を発し、最近ではアフガニスタンからの米軍撤退と、今に至るまで侵略、圧政、テロリズムにより、数多くの人々が犠牲になっている。
『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』ではアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にもノミネートされたドキュメンタリーの名匠・ロージ監督。なぜ、彼は同作で、中東を映画の舞台に選んだのか? そこには、想像以上の苦労と危険があった。
最初は「カメラを持たずに数ヵ月、中東を回った」と言い、イラクのバスラでの撮影中に「2度、誘拐されそうになった。爆撃にもあった」とロージ監督は語る。
戦火が間近な今だからこそ聞きたい言葉の数々
日々の暮らしの背後に銃声が聞こえる場所で、ロージ監督は3年にわたり撮影を敢行した。しかし、直接「戦争を見せたいとは思わなかった」と言う。
「『国境の夜想曲』において、戦争は“こだま”のようなものとして描いた。衝撃波は長く、遠くの日常にまで響く。私はその日常の痛みに近づきたいと思った」と静かに語る。
ロシアがウクライナとの国境地帯に10万人の部隊を集結させ侵攻するのではないか、とささやかれている現在。国境を脅かし、隣国を蹂躙するのは対岸の火事ではなくなっている。
『国境の夜想曲』の舞台である中東は、その歴史にさらされ続けてきた。テレビやインターネットで毎日流されるニュースでは決して報道されることのない、人々の日々の営みと、悲劇の中でも輝きを放つ“生と希望”を詩的な映像で描き出したロージ監督のインタビュー映像となっている。
名匠ジャンフランコ・ロージ監督の最新作『国境の夜想曲』は、2月11日から全国で公開される。
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