ドキュメンタリー専門チャンネル「ナショナルジオグラフィック」にて、感染症の恐怖を描いたドラマ『ホット・ゾーン』シリーズの第2弾『ホット・ゾーン:アンスラックス』全6話が日本初放送されることが分かった。
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全米を震撼させた炭疽菌テロ事件の真実が明らかに
同作は、世界中に衝撃を与えた9.11の出来事からわずか1週間後、炭疽菌が入った手紙がフロリダ、ワシントンD.C.、ニューヨークのメディアや政治家のオフィスに送られ、5人の命が奪われた実際の炭疽菌テロ事件を基にしたリミテッド・シリーズ。米国を大きなパニックに陥れた犯人を突き止めるべく、科学を武器に、冷静な判断で一歩一歩、容疑者に近づいていくFBI捜査官たちの執念と葛藤を描く。実際の事件終結までおよそ8年かかり、当時のニュースでは見られなかった事件の背後にある興味深い多くの事実も緊迫感あふれる全6話の中で語られる。
9.11の精神的トラウマに悩みながらもFBI捜査官として執念で犯人を追いつめていく主人公、マシュー・ライカーを演じたダニエル・デイ・キムは、自身の役柄について「自分のキャラクターが感じている重苦しさを考えないようにするのは、役者としての自分には難しいことでした。撮影していたカナダはとても長い間、完全にコロナでロックダウンしていたし、カナダは東京と同じように、冬の時期はとても寒いから仕事の後はどこにも出かけられませんでした。だから僕は、少し自分のキャラクターから脱け出す必要があったけど、それをする機会はありませんでした。それは、僕が彼と6か月間一緒に生きていたことも意味します(笑)。それはチャレンジでした」とコメント。
マシューが犯人を捕まえるまで長い時間がかかる。その執念についてキムは「ライカーが人とは違うところからきていると思います。まず、何人かのFBI捜査官と話してみて、彼らはただの平均的な普通の人間ではないと知りました。彼らはクラストップの学生たちで、トップの大学に行くような、とても意欲的な性格です。それがFBI捜査官の一般的な気質です。ライカーはその伝統的な道をたどってきませんでした。彼は科学者だからすでにアウトサイダー(部外者)として思われていました。それと、彼はアジア人だったからです。僕のような見た目の人がFBIにいるのは、典型的ではありません。彼は、自分にはなにか証明しないといけないものがあって、それをやりたいと感じていたと思います。そのことが、この事件を解決する上でさらに大きな動機を彼に与えたと思います」と推察する。
また、キムは実際20年前に起きた炭疽菌テロを思い返してこう語った。
「9.11が起きた時、アメリカにいる僕らのほとんどは、その時どこにいて、そのニュースやタワーズ(世界貿易センター)が崩れたことを知ったか正確に覚えています。僕はロサンゼルスにいて、TV番組の仕事をしていました。そして『アメリカで起きるなんてありえない』と心の中で思っていたのを覚えています。アメリカ本土では、このような攻撃は今までになかったから、炭疽菌テロが起きた時、「ちょっと待って。こういったことは今、定期的に起きていることなの? アメリカ人は攻撃されるの?」と感じました。メディアでは、国外からのテロだという考えがとにかく蔓延していました。だから、新しい時代の始まりのように感じ、この国での生活に恐怖を感じないといけませんでした。でもそれは実際、贅沢なことでした。過去の全ての戦争について考えた時、アメリカ国内で戦った戦争がいかに少ないか。アメリカ人はいつも、他国の地で戦うために、国外へ行きます。そのためテロによって多くのアメリカ人の物の見方を変えることになりました」
『ホット・ゾーン:アンスラックス』の二ヵ国語版は2月22日22時より、字幕版は2月23日20時より放送。
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