【今日は何の日】2月26日は脱出の日…脱出系映画で“時間の大切さ”を味わってみる?
2月26日は脱出の日。1815年の今日、エルバ島に流刑にされていたナポレオンが島から脱出したことが由来の記念日だ。脱出と聞くとパニックホラーなどスリリングな映画が数多く思い浮かぶが、今回はストーリーや人間ドラマをしっかりと味わえる“脱出系映画”を2本ご紹介しよう。
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実際の監禁事件を元に“部屋”からの脱出を描いた『ルーム』
とある部屋に暮らす5歳のジャックとママのジョイ。天窓が一つだけある部屋の扉はロックされており、ジャックは生まれてから一度も外に出たことがない。必要なものはオールド・ニックと呼ばれる男が届けにくるが、その間ジャックはクローゼットの中で寝ており、直接顔を合わせたこともない。そんなある日、ジョイはジャックに衝撃的な話を告げる。それは、ジョイが17歳の頃にオールド・ニックに誘拐されて監禁され、7年間この“部屋”に閉じ込められているという事実だった…。
実際にオーストリアで起きた監禁事件をもとにした本作。部屋からどうやって脱出するのかも気になる点だが、脱出が描かれるのは物語のちょうど真ん中。残り半分は、脱出してからの様子が描かれる。監禁事件の被害者であるジョイとジャックは、マスコミからの注目の的で、ろくに外にも出られない。ジョイ、ジャック、そしてジョイの両親…それぞれ立場の違う“被害者”たちの心境や、奪われた時間について考えてしまう。
本作で第88回アカデミー賞主演女優賞に輝いたジョイ役のブリー・ラーソン、それからジャック役のジェイコブ・トレンブレイのピュアな演技がすばらしい。涙なしには見られないヒューマンドラマだ。
急速に年を取る恐怖の“ビーチ”からの脱出『オールド』
本作は、『シックス・センス』(99年)のM.ナイト・シャマラン監督の最新作。バカンスに出かけた4人家族が、何組かの家族や夫婦と共にプライベートビーチへ案内されるが、そこでおかしなことが次々と起こり始める。なんとこのビーチ、いるだけで急速に年を取り、しかも出ようとすると気を失ってしまう“脱出不可能”なビーチだったのだ。
6歳だった息子は気付いたら青年になっており、病気の進行が早まり亡くなる人、さらに急速に妊娠する人まで…。全員でどうにか脱出しようとさまざまな方法を試みるが、あらゆる手を尽くしてもビーチからは出られない。次の日には息子が50代になっており、映画が終わるまであと20分…登場人物も観客も諦めかけた頃に物語は急展開を迎える。
この状況下だから言えたこと、解決できたこと、もう少し早く解決しておけばという後悔…本作ではそんな家族の問題についても描かれている。本作はかなり極端な状況ではあるが、言いたいことは言えるうちに言っておかなければ…と、思わず人生に思いを馳せてしまう作品だ。
閉じ込められるというのは時間を奪われるということ。今回紹介した2本とも“脱出する”映画でありながら、時間の尊さについても考えさせられる作品だ。ハラハラドキドキする脱出映画も楽しいが、たまにはじっくり考えさせられる脱出映画を楽しんでみてはいかがだろうか。(Y)
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