小説家で僧侶の瀬戸内寂聴のドキュメンタリー映画『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』が、5月27日より緊急全国公開されることが分かった。配給はKADOKAWA。
・2012年記事:満島ひかりが瀬戸内寂聴「夏の終り」に主演、「色っぽく、濃厚な脚本に出会いました」
瀬戸内寂聴とディレクター“祐さん”の不思議な17年間
本作は、2021年に惜しまれつつ99歳で亡くなった瀬戸内の生誕100年記念ドキュメンタリー。死の直前まで月刊誌、新聞の連載をこなす現役作家であり、月1の法話には全国から人が押し寄せる最長寿の国民的アイドル。駆け落ち、不倫、三角関係など、自らの体験を私小説の形で次々に発表し、世間のバッシングに晒されるも、女流作家として不動の地位を確立。51歳のとき出家し、以来、僧侶、作家の2つの顔を持つ寂聴に迫る。
監督は、2022年5月15日で満100歳を迎えるはずであった寂聴に、コロナ後も含め、17年間密着して撮影を行った中村裕。2015年にNHKスペシャル『いのち 瀬戸内寂聴 密着500日』(ATP賞ドキュメンタリー部門最優秀賞受賞)のディレクターも務め、日々の老いから過去の不倫関係まで日常的に互いに全てを報告し合う、まるで母親、先達、友人、あるいは恋人のような関係だった2人だからこそ描ける、誰も知らない寂聴がスクリーンに映し出される。
今回はティザービジュアルも解禁。寂聴の名言「もっと自分を愛しなさい。そうすれば人生が変わります」をコピーに、寂聴という人物をアイコニックに表現した、大胆なイラストのデザインとなった。
公開に先がけて中村監督は「『裕さんは私をもっと撮ってお金にする気はないの? 臨終が撮りたいなら撮れるように言っておくよ。私はもう死んでしまうんだから平気よ』『それって商品価値はあるんでしょうが、僕は先生が元気なうちに形にしたいし、なんか嫌なんですよね』『そんなこと言ってられないよ。非常にそんなのはセンチメンタルな考えですよ!』そう叱咤されたのが、2021年の6月、結果的に最後のインタビューのときだった。僕は先生の言葉に背中を押されるように、初めての映画制作に挑戦することを決めたのだ」とコメントしている。
いつまでも恋心を持って生きる。女性であるということを忘れず人生を楽しむ。彼女の生き様は、不寛容な空気が充満しつつある現代社会で、人間の生命力とは何かを強く感じさせてくれるものであり、いかに生き、老いていけばいいのか。高齢化社会を生きる現代人に向けての大きなメッセージになりそうだ。
『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』は5月27日より全国公開。
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