村上隆と蜷川実花が「壁だらけ」と映画作りの苦労を吐露。「全勢力と貯金が必要」とも

村上隆監督(左)と蜷川実花
村上隆監督(左)と蜷川実花

2008年に米「TIME」誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたこともある世界的現代芸術家・村上隆が映画監督に初挑戦した『めめめのくらげ』。大人には見えない不思議な生物と子どもたちの交流を通じて震災後の日本を描いたこの映画のトークショーが、5月12日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、村上監督と蜷川実花が登壇。異ジャンルから映画監督に挑戦した苦労などについて語った。

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元々、親交の深い2人。互いの感想を聞かれると村上は、「元気のいいカメラマンで、日本を自由自在にクリエイティブ活動されている作家という印象でしたが、『ヘルタースケルター』の試写から100%感服しました。実写で『ヱヴァンゲリヲン』を見たようなショッキングな感覚でした」と打ちのめされたことを告白。「尊敬しています」とも。蜷川も自作への賞賛を喜び、「村上さんのことは大尊敬しています」と話していた。

蜷川は同作に「まっすぐな強さと、愛と勇気を信じた優しい作品。村上隆さんってこんないい人なんだ?と正直驚きました。村上さんのメッセージ『暗闇の世界を闇雲に生きろ』に120%共感し、受け取りました!」と感想コメントを寄せているが、司会から改めて映画の感想を求められると、一緒に見た息子が映画に入り込んで号泣しその姿を見て自分も号泣したと打ち明け、「この映画を見て、村上さん超いい人で、ステキな人だな〜と思いました」とコメント。これに対し村上は「1作品目は全部を出さないといけないと監督補に言われ、twitterでは『全部出し過ぎ』と言われるぐらい」と照れつつ、「子どもが映画の世界に入り、その世界に疑問を持ってくれることが一番のゴールだったので、すごくありがたい言葉です」と感謝していた。

アーティストとして地位を確立しながら、映画という異ジャンルに挑戦した2人。その苦労について村上監督は「映画は既成概念が強い。現代美術に入ったときにあたった壁と似ています。思ったより軋轢が強かった。精神的に大変だと分かりました」と吐露し、「『2』も撮影は終わってますが、腰が重いです」と続編についても触れた。一方、蜷川も「壁だらけでした。映画はあきらめの連続ですね。こだわればキリがないので。映画を撮るには、全勢力と貯金が必要」と苦労を語った。

多方面で大いなる活躍を見せる2人だが、意外にも互いに現場で「よーい、スタート!」の声がかけられないことも告白。蜷川は「恥ずかしかったのもあって、『ヘルタースケルター』でようやく1回言えたくらいですね」と話していた。

実写とCGを融合した同作を見てCG作品に大いに興味を持ったという蜷川は映画について、「頭を真っ白にして見ると、気持ちが良くて元気になりました。そのまま身を任せて楽しんで下さい」とアピールしていた。

『めめめのくらげ』はTOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて全国順次公開中。

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