大沢たかお、松嶋菜々子がカンヌ参加! 公式会見では社会正義について意見述べる

記者会見の様子。左から三池崇史監督、松嶋菜々子、大沢たかお
記者会見の様子。左から三池崇史監督、松嶋菜々子、大沢たかお
記者会見の様子。左から三池崇史監督、松嶋菜々子、大沢たかお
会見前に行われた写真撮影の様子。左から三池崇史監督、松嶋菜々子、大沢たかお
左から三池崇史監督、松嶋菜々子、大沢たかお

第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『藁の楯 わらのたて』。その公式記者会見が、5月20日午前(現地時間)にPalais des Festivalsで行われ、キャストの大沢たかお、松嶋菜々子と三池崇史監督が出席した。

『藁の楯 わらのたて』松嶋菜々子インタビュー

会見前に行われたプレス向け試写会は、早朝にも関わらず満席に。席がなく見られなかった記者もいたほどだったが、カンヌ出品についての感想を聞かれた三池監督は「自分でも本当にビックリしました」と驚きを口に。ただ、主催者にその感想をぶつけたところ、意外な選出ではないと言われたそうで「我々は何の先入観もなく、作りたいものを作っていけばいいのかなと感じた」と、今後の作品作りにも自信が持てた様子。

本作は、多くの人々に命を狙われる卑劣な凶悪犯の移送を警護するSPの葛藤を描いた作品で、「罪や人を許すことがテーマのひとつだが、それをどう消化して演じたのか」という問いには、「答えのない難しいテーマ。役柄のポジションを理解しようとしながら演じました。見た方々それぞれに理解していただくのが、この映画の狙いだと思います」と松嶋。大沢も「皆がそれなりの正義をもっていて、それが微妙な均衡を保っているのが社会そのもの。その均衡が、事件や刺激によってあっという間に歯車が狂うのが世の中そのものだと考え、自分だったらどうなのかと自問するような気持ちで演じた」と語った。

カンヌでは第33回のときに今村昌平監督の『楢山節考』が最高賞のパルムドールを受賞。今村監督の弟子でもある三池監督はそのことへの感慨を聞かれ「あれから30年なんですね。今村さんからは、自分のなかにあるものをきちっと見つめて撮っていくということを学んだ気がします。映画とは個性を表現するための道具ではなく、自然に自分のなかにあるものから撮っていけば、それが自分の映画になることを教わった気がする」と亡き師匠に思いを馳せた。

今年はエンターテインメントの代名詞的存在でもあるスティーヴン・スピルバーグ監督が審査委員長をつとめているが、「エンターテインメントは評価されにくいという状況のなかでどんな期待をしているか」とたずねられた三池監督は、「パルムドールはいただけたらもちろんいただきたいと思いますが、自分はなかなかそういうタイプではないかな」と謙遜。「こういう場で上映されることそれ自体で、もう十分満足しています」と語った。

『藁の楯 わらのたて』は新宿ピカデリーほかにて全国公開中。

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