是枝裕和監督の最新作にして、初の韓国映画となる『Broker』(原題)の邦題が、『ベイビー・ブローカー』に決定した。またイ・ジウンの出演が明らかにされた。
子供を育てられない人が匿名で赤ちゃんを預けていく“ベイビー・ボックス”をめぐる物語
これまで、現代社会やそこに生きる人々を鋭い視点と温かい視線で描き上げ、『そして父になる』(13年)でカンヌ国際映画祭の審査員賞受賞、さらに『万引き家族』(18年)ではカンヌ最高賞であるパルムドールを受賞するという栄誉に輝き、続く『真実』(19年)では、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークら海外の才能たちと本格的なセッションに踏み出したことでも話題を呼んだ是枝監督。世界中の映画人たちとタッグを組み、新作を生み出していく監督が今回手がけるのは、韓国の製作・俳優陣と長年温めてきた企画である『ベイビー・ブローカー』。子供を育てられない人が匿名で赤ちゃんを預けていく“ベイビー・ボックス”をめぐり、そこで出会っていく人間を描く、オリジナルストーリーだ。
すでに発表されている出演キャストは、アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト半地下の家族』(19年)でも主演を務めたソン・ガンホ、『MASTER/マスター』(16年)のカン・ドンウォン、さらに監督とは『空気人形』(09年)でもタッグを組んだペ・ドゥナという、韓国を代表する名優たち。さらに、共演キャストとして今回イ・ジウンが出演していることが発表された。
イ・ジウンは“IU”というアーティスト名でソロ活動をするシンガーソングライターで、韓国では老若男女を問わず絶大な知名度と人気を誇る。新譜の度にチャートを席巻し、iTunesソングチャートでは韓国だけにとどまらず他国でも第1位を獲得、MV再生回数もうなぎ上りとなる。BTSとの交流も多く、最近ではSUGAとのコラボ曲「eight」もヒットを記録した。“国民の妹”、“K-POPクイーン”、“CM女王”などの異名を持つ。
最近は歌手だけにとどまらず、女優として活躍の場も広げている。また自身が幼くして経験した経済的困難や苦労をふまえ、慈善活動にも積極的で、“善行のアイコン”、“寄付天使”とも呼ばれている。
そんなイ・ジウンは、ドラマをはじめいくつかの映像作品には出演しているものの、本格的な劇場公開映画としては本作が第1作目となる。今後はパク・ソジュン(『梨泰院クラス』)とのW主演の映画『ドリーム』(仮題)の公開も控えているが、本作では、数々の女優の魅力を引き出してきた是枝監督が演出する女優イ・ジウンの新たなる発見も見どころの1つとなりそうだ。
『ベイビー・ブローカー』は2022年全国公開。
[訂正とお詫び]
記事タイトルおよび本文1段落目、以下のように訂正いたしました。不確かな記載がありましたことをお詫びいたします。
・訂正前:イ・ジンウ
・訂正後:イ・ジウン
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