3月のお菓子のイベントといえばホワイトデーだが、本日3月12日は「スイーツの日」。カリスマパティシエである辻口博啓が発起人・代表を務める株式会社スーパースイーツが制定した、お菓子の魅力を多くの人に広めることを目的とした記念日だ。そんな今日はぜひ、「お菓子」をテーマにした映画を楽しんでみてはいかがだろうか。
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ロンドンに多国籍スイーツ店!? 『ノッティングヒルの洋菓子店』
ロンドン・ノッティングヒルに洋菓子店をオープンしようと準備していた、イザベラとその親友のパティシエ・サラ。その矢先、事故でサラが他界してしまう。イザベラに跡を継いで店をオープンしようと言い始めたのは、サラの娘・クラリッサだった。サラの母であるミミも巻き込んで、洋菓子店「ラブ・サラ」の開店準備を始める3人。パティシエを募集するが、そこに現れたのはサラの元カレのシェフ・マシューで…。
3世代の女性たちによる奮闘と、周りの男性とのロマンスを描いた本作。ロンドンの人気デリ「オットレンギ」が全面協力したことでも話題になった作品だ。洋菓子店が舞台なだけに、もちろん本作には数々のスイーツが登場する。
最初に店に並ぶのは見た目も華やかなケーキ、マカロン、エクレアなど。しかし、ここは近隣にも多くの洋菓子店が立ち並ぶノッティングヒル、オープンしたてにも関わらず閑古鳥が鳴き、このままでは経営が厳しい状況に…。そんな中、ミミはさまざまな国の出身者が集まるロンドンならではの洋菓子店にするアイディアを思いつく。それは、郷土スイーツが食べられる店にするというものだ。
こうしてラトビアのクリングルやオーストラリアのラミントン、中東のバクラヴァなど、多国籍なお菓子が並ぶようになった「ラブ・サラ」は話題を呼び、人が集まるように(ちなみに日本のスイーツも登場するが…なぜか「抹茶ミルクレープ」)。人間模様と共に、登場するスイーツたちにも想像を膨らませながら楽しめる作品だ。
どら焼き屋を舞台に老女と店長の交流を描く『あん』
洋菓子店の次は、「どら焼き屋」が舞台の物語。河瀬直美監督がメガホンをとり、樹木希林が主人公を演じた『あん』をご紹介しよう。
本作は、縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)が、店で働くことを懇願する一人の老女・徳江(樹木)を雇う。彼女の勢いに押されるままに、翌日からどら焼きの粒あん作りを任せると、そのあまりの美味しさに、店がみるみるうちに繁盛していくというストーリーだ。
樹木演じる老女・徳江、永瀬演じる店長・千太郎それぞれが過去を背負っており、物語が進むにつれ少しずつ明らかになっていく…。辛い過去があっても表に出さず、前向きに生きる徳江の姿には胸を打たれ、好きにならずにはいられない。
本作の中で徳江は「小豆の声を聞く」ことを大切にしているが、映画に登場する小豆やあんこからは本当に声が聞こえてきそうなほどツヤツヤふっくらと美しく、おいしそう。社会的なテーマも含み、深く考えさせられる本作だが、見た後はきっと「どら焼き」が食べたくなるに違いない。
今回ご紹介した2作品とも、空腹時に見るとちょっと危険…「飯テロ」ならぬ「スイーツテロ」注意な作品だ。ぜひ、おいしいスイーツを用意してから見ることをおすすめする。(Y)
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