引っ越し先でポルノ女優と間違えられ…それでも戦う女性の姿に共感!
『パリ13区』セザール賞ノミネート、ノエミ・メルランのインタビュー
2021年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品、ジャック・オディアール監督×セリーヌ・シアマ脚本の話題作『パリ13区』が4月22日に公開される。このたび、セザール賞ノミネート女優ノエミ・メルランからのインタビューが届いた。
・コールセンター、高校教師、大学生、ポルノ女優…現代のパリを生きる若者たち
ノエミが演じたミレニアル世代の女性ノラは、心機一転32歳で大学に復学、移住したパリで人気ポルノ女優と間違えられ、そこから大きく人生が動き出す。
そんなノラの人物像について、ノエミは、「彼女は強い人間であり、常に前に進み、戦います。不器用なところもありますが、愛すべき存在です。彼女のたどった道が、私たちの生きている時代を物語っているようで好きです」と分析する。
本作品は、様々な出来事が“女性目線”で描かれているのも特徴だ。
ノエミは、「当然ながら、男性が女性の視線を持つこともできます。最初の打ち合わせのときからそう感じていました」とし、「恋と同じで、優しくて、自分を尊重してくれる相手なら、身を任せたくなりますよね。俳優がヌードシーンで体をさらけ出すことも、そこに明確な合意があるからこそだと思います」と、監督のオディアールに対する信頼を打ち明けた。
本作品を鑑賞して一番印象に残っていることを尋ねられると、次のように感想を語った。
「時代を超えた普遍性ですね。この映画は、ある意味では現代的です。現代では、いろんなことが分かりやすくなった反面、いろんなことが難しくなったと思います。『パリ13区』は現代社会に深く根ざした言葉の掛け合いで構成された現代劇です。私たちは何者なのか? 私たちは何を望んでいるのか? そこには多くの迷いがあり、登場人物たちは常にもがいています。私はそれがとても美しいことだと思うのです。この映画を見ていると、少しだけ孤独が和らぐと思います。生きていたい、愛し合いたい、恋をしたいと思うはずです。そして孤独との闘いに向き合う勇気を与えてくれると思います」
またこのたび、ノエミ演じるノラを捉えた新らしい場面写真も公開された。
心機一転、復学する大学へ向かう様子や、人気ポルノ女優と間違えられてしまう原因となった金髪のウィッグを被る姿が映し出されている。
70歳・鬼才ジャック・オディアールが洗練されたモノクロで魅せる!
本作品は、今年70歳を迎える鬼才ジャック・オディアールが監督と、『燃ゆる女の肖像』で一躍世界のトップ監督となった現在43歳のセリーヌ・シアマと共同で脚本を手がけた“新しいパリ”の愛の物語。
舞台となるパリ13区は、高層住宅が連なり多文化で活気に満ちた現代のパリを象徴するエリア。コールセンターで働くエミリーと高校教師のカミーユ、32歳で大学に復学したノラ、そしてポルノ女優のアンバー・スウィートという若者たちが織りなす不器用で愛おしい恋愛模様が描かれる。
原作は、今最注目の北米のグラフィック・ノベリスト、エイドリアン・トミネの 3 つの短編。『モード家の一夜』や『マンハッタン』にオマージュを捧げながら、洗練されたモノクロームで映し出す、誰も見たことのなかったパリがここにある。
『パリ13区』は、4月22日に公開される。
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