第74回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いたジュリア・デュクルノー監督作『TITANE/チタン』が、4月1日より公開。ムビコレでは、デュクルノー監督のインタビューを掲載中だ。
・『TITANE/チタン』ジュリア・デュクルノー監督インタビュー
「初めは“嫌な”感じに思われるかもしれないけど、最終的にラブストーリーにしたかった」
幼い頃、交通事故により頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたアレクシア。彼女はそれ以来、車に対し異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。自らの犯した罪により行き場を失った彼女は、ある日、消防士のヴィンセントと出会う。10年前に息子が行方不明となり、今は孤独に生きる彼に引き取られ、ふたりは奇妙な共同生活を始める。だが彼女は、自らの体にある重大な秘密を抱えていた……。
今回目指したのは、「“愛の誕生”のストーリー」だと話すデュクルノー監督。「初めは暴力のせいで“嫌な”感じに思われるかもしれないけど、そのうち観客の中にキャラクターへの深い愛着が芽生えて、最終的にラブストーリーに思える映画にしたかったんです」。
頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたヒロイン・アレクシアを演じたのはアガト・ルセルだ。アレクシア役は、「“突然変異”する時、目にしたことのある女優の変化を見ていると思われたくなかった」ため、観客が先入観を持たない“無名の人”をキャスティングする必要があったという。
プロではない若い女性に目を向け、イメージに合う人物を探したデュクルノー監督。そして見つけたのがアガトだった。「初めてアガト・ルセルを見た時、彼女は本当に目立っていました。アガトは理想の身体つきと魅力的な顔をしていて、存在感もありました。彼女はスクリーンを支配していて、それこそが私の望んでいたものです」。
今回、脚本作りについても難航したと話すデュクルノー監督だが、最大の挑戦は間違いなく「アガト・ルセルの特殊メイク」だったという。「彼女は毎日、長時間の特殊メイクで体力を消耗していたし、それは私たちにとってもストレスでした。特殊メイクは日課の中心でした。おかしいですよね」。
「特殊メイクを使う度に『もう絶対使わない! 面倒すぎる!』と言ってるのに、次の映画でまた同じことをやってしまう!(笑)」…とデュクルノー監督。「でも、役者にとって特殊メイクは演技の過程で真の友になるんです。スクリーン上ではとても自然に見えるんですね」と、特殊メイクの重要性についてこう語った。ジュリア・デュクルノー監督のインタビュー全文はこちらから!
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