『とんび』父・阿部寛が上京する息子・北村匠海を見送る感動シーン
阿部寛と北村匠海が共演、父子の不滅の絆を描く“家族の物語”『とんび』が4月8日より全国公開される。このたび、息子・アキラ(北村)が父・ヤス(阿部)と別れる場面の本編映像が公開された。
・北村匠海、「顔が濃くなってきたので、阿部寛さんになるんじゃないかと…」
公開された本編映像は、上京の日の朝、ヤスの幼馴染でアキラのもう一人の父親のような存在でもある照雲(安田顕)が、アキラを車で送るため迎えに来る場面で始まる。
トイレに籠って出てこないヤスに、アキラはドア越しに「親父、行ってくるけぇ。元気で頑張るけぇ、親父も……お父さんも、ほんまに、元気で」と別れの言葉を伝える。
アキラが玄関を出ようとしたその時、突然トイレから出てきたヤスだったが、「……ええか。お前は好きで東京行くんじゃ。つまらん泣き言言うてくるなよ。のたれ死んでもええ。お父さんが東京行くときは、お前の骨を拾いに行く時じゃ、そう思うてハラ括ってこい。わしの方から電話することも、もうありゃせんわい!」と、思ってもいない言葉をアキラに浴びせてしまう。
そこでアキラは、「……いいよ。僕もそのつもりだよ」と、飛び出していってしまった。
家に一人残されたヤスが居間に戻ると、そこには「お父さんへ」と書かれた一通の手紙が──。
「お父さんへ。行ってきます。一人暮らしは不便でしょうが、風邪など引かないように頑張ってください。タンスに衣替えの服を入れ替えておきました」
そこには一人暮らしになる父を案じる優しい言葉が並んでいた。
ヤスが手紙を読み慌てて外に飛び出すと、対岸の橋にアキラを乗せた照雲の車が走っている。車を追いかけるヤスに気づいた照雲が、アキラに「停めようか」と聞くが、アキラは「ううん……行ってください」と伝える。
ヤスは、必死に走り続けるもどんどん遠ざかる車に「アキラ! 頑張って来いよ!」と大声で叫ぶ。
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本作品の舞台は、昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。運送業者で働くヤス(阿部)は、今日も元気にオート三輪を暴走させていた。愛妻・美佐子(麻生久美子)の妊娠に嬉しさを隠せず、姉貴分のたえ子(薬師丸ひろ子)や幼馴染の照雲(安田)に茶化される日々。幼い頃に両親と離別したヤスにとって家庭を築けるということはこの上ない幸せだった。
遂に息子・アキラ(北村)が誕生し「とんびが鷹を生んだ」と皆口々に騒ぎ立てた。しかしようやく手に入れた幸せは、妻の事故死で無残にも打ち砕かれてしまう。こうして、父子2人きりの生活が始まる。
母の死を理解できないアキラに、自分を責めるヤス。和尚の海雲(麿赤兒)は、アキラに皆が母親代わりなってやると説き、雪が降っても黙って呑み込む広い海のようにアキラに悲しみを降り積もらすな──「お前は海になれ」と、ヤスに叱咤激励するのであった。
親の愛を知らずして父になったヤスは、仲間たちに助けられながら、我が子の幸せだけを願い、不器用にも愛し育て続けた。そんなある日、誰も語ろうとしない母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは大きな嘘をついた……。
『とんび』は、4月8日より全国公開される。
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