【今日は何の日】トランスジェンダーの日。股間に“怒りの1インチ”が残ったロッカーを描く伝説的映画
#LBGTQ#コラム#ジョン・キャメロン・ミッチェル#トランスジェンダーの日#ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ#今日は何の日
4月4日はトランスジェンダーの日だ。なぜ4月4日なのか? どうやら、女の子の桃の節句(3月3日)と男の子の端午の節句(5月5日)のちょうど中間ということでこの日が選ばれたらしい。単純に男と女のどちらかに振り分けられない、それ以外の多様な性への理解を深めようという目的で制定された記念日だ。そこで今回は、トランスジェンダーのロッカーが主人公の映画をご紹介する。
・トランスジェンダー役で主演『ミッドナイトスワン』草なぎ剛インタビュー
性転換したロッカーが叫ぶ愛の歌『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
「人には3つの性があった」というプラトンの饗宴をモチーフとした挿入歌が印象的な『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は、トランスジェンダーのロッカー・ヘドウィグが主人公の作品。ジョン・キャメロン・ミッチェルが監督、脚本、主演を務めた2001年の映画だが、元々はジョン・キャメロン・ミッチェルと作曲家のスティーヴン・トラスクがナイトクラブで披露したステージを原型とするオフ・ブロードウェイのミュージカルで、最近では日本でも関ジャニ∞の丸山隆平主演で上演されている。
ヘドウィグは男として旧東ドイツに生を受けたが、恋に落ちたアメリカ軍人ルーサーと結婚してアメリカに渡るため性転換手術を受ける。ところが手術は失敗。股間に1インチの“過去のしこり”が残された。タイトルにある「アグリーインチ=怒れる1インチ」は、この過去のしこりを意味すると同時にヘドウィグが率いるバンド名でもある。
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチの楽曲には、人間の愛について考えさせられるような哲学的な詩が多い。そして、元々ミュージカルだけあってどの曲もサウンドのクオリティが高い。マドンナがこの作品の楽曲の権利を欲したというのもうなずける。視覚を刺激するヘドウィグのドラァグクイーン風ヘアメイクと聴覚に訴えかけてくる秀逸なロックナンバーが全編にあふれているので、それを楽しみながら軽い気持ちで見ていただきたい。(T)
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