プロデューサーのアレクサンドル・ロドニャンスキーからもコメント映像が到着

チェルノブイリ(チョルノービリ)原子力発電所で起きた爆発事故。全世界を未曾有の危機から救うため命を懸けた消防士の壮絶な運命を描くヒューマン・スペクタクル大作『チェルノブイリ1986』が、5月6日から、全国で公開される。この度、先般ロシア当局からウクナイナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と共に“ペルソナ・ノン・グラータ”(好ましからざる人物)に認定された同作のプロデューサー、アレクサンドル・ロドニャンスキーからコメント映像が到着した。

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1986年4月26日、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国プリピャチのチェルノブイリ原子力発電所で起きた爆発事故。この未曾有の大惨事は、のちに超大国のソ連が崩壊した一因になったとも言われ、数多くのドキュメンタリーが作られた。

そしてこの度、他とは全く違った視点で描いた映画『チェルノブイリ1986』を完成させた。

人々の日常生活や生命をどれほど脅かし、彼らの人生に壊滅的な影響を与えたのか。事故発生当時、現地で撮影した経験を持つプロデューサーが、爆発直後に現場に急行した消防士たちの苦闘や避難民たちの混乱ぶりなど、一般市民の視点からリアルに映し出した、映画だからこそ描けたヒューマン・スペクタクル巨編だ。

ロドニャンスキーは、「私はウクライナのキーウ出身です。ウクライナ侵攻が始まった日から戦争に抗議を続けています」と、冒頭から戦争反対を訴える。

「私の家族はウクライナ出身ですが、私は過去20年間モスクワに住んでいます。私が国を追われた理由はウクライナ人だからという理由ではなく、戦争反対を声高に訴えただけでもありません。ロシア兵による残虐行為について公言しました」と話し、「この戦争の責任を負うロシアの防衛大臣は、私の文化的遺産をロシアの現代文化から排除するという書簡を送ってきました。この作品もその文化的遺産なのです」と、現在の心境を吐露し、そしてこれから同作を見るファンに向けて「どうぞ楽しんでご覧ください」とメッセージを送っている。

古市憲寿「この物語は“現在”の映画だ」

また、国際政治学者の三浦瑠麗、コラムニストでタレントの小原ブラス、社会学者の古市憲寿から本作品への絶賛のコメントが到着した。

国際政治学者の三浦瑠麗は「人間は愚かな生き物で、戦争を繰り返し、不祥事を隠蔽する。ところが、そんな危機の時にこそ、普通の人間がヒーローになることもある。どうしようもない状況の中で、その身を捧げた人々がいた。あらゆるプロパガンダから離れて、“人間”であることの意味をかみしめたい」とコメント。

コラムニストでタレントの小原ブラスは「リアルは想像を超えるものだが、リアルを追求した結果がこれだ。見ている側まで、火傷をしたような痛みを感じ、胸が苦しくなった」と語る。

さらに、社会学者の古市憲寿は「20世紀の悪夢を描いたはずの物語が、否応なしに“現在”の映画になってしまった。脆くも崩れる日常の描写が、柔らかく美しい」と絶賛した。

『チェルノブイリ1986』は5月6日から、全国で公開される。