『ニュー・シネマ・パラダイス』 や『海の上のピアニスト』などを手がけた名監督ジュゼッペ・トルナトーレが4度目の来日を果たし、10月22日に第26回東京国際映画祭で舞台挨拶を行った。
同映画祭の特別招待作品となった監督作『鑑定士と顔のない依頼人』は、美術品の世界を舞台にした極上の知的ミステリー。孤高の天才オークション鑑定士ヴァージルをオスカー俳優のジェフリー・ラッシュが演じているが、キャスティングについて「脚本を執筆している段階では、頭のなかには2名ほど候補がいたが、書き上げたときにはジェフリーしかいないと思って、彼にすぐに脚本を送りました」と明かした。
ラッシュからはすぐに「出演したい」という返事が届いたそうで、映画作りを共にした感想について「彼はいつまでも一緒に仕事をしたい俳優。何事にも挑戦するし勇気もある、役柄に飛び込んでいくタイプです。また、厳しい反面、遊びの気持ちを持って楽しみながら演じることができ、何よりも俳優としての自分の仕事を愛している。一緒に仕事をするのは本当に楽しく、最高の経験でした」と語り、大絶賛していた。
作品については「この映画の一番のポイントは“偽りのなかにも真実はある”ということ。(ラストを)ハッピーエンドととるか違うと思うのかは、ご覧になった人の気持ち次第。私自身はポジティブな終わり方だと思っているが、それはどうとってもらってもいいと思っています」と話していた。
この日の朝に日本に到着したトルナトーレ監督。最初に覚えた言葉が「O・MO・TE・NA・SHI」だったと打ち明けると、会場からは笑いと拍手が起こっていた。
『鑑定士と顔のない依頼人』は12月13日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国順次公開される。
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