日曜日の女が離れるのは、ほんとうに夫の浮気だけが原因なのか…?
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新鋭監督・金允洙 短編作品上映[4:3/2:1]開催
13年東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻修了、『或る夜の電車』(14年)で第55回日本映画監督協会新人賞ノミネート、『日曜日、凪』(21年)で第34回東京国際映画祭Amazon Prime Videoテイクワン賞を受賞した新鋭・金允洙(キム・ユンス)監督の短編作品の上映イベント「金允洙 短編作品上映[4:3/2:1]」が6月3日・4日・5日の3日間限定で東京・渋谷のユーロライブで開催される。
上映会では、東京国際映画祭Amazon Prime Videoテイクワン賞の『日曜日、凪』と、今回が初上映となる新作『リンゴをかじる女、風を売る男』の短編2本立てで上映されるほか、作品スチールも手掛けた写真家・濱田晋による写真展やスペシャルゲストを招いたトークイベントも行われる。
行定勲監督「短い中にたくさんの映画的な情緒を発見」
開催に先立ち、東京国際映画祭で審査員を務めた行定勲監督と俳優・渡辺真起子が、『日曜日、凪』選出理由について改めてコメントを寄せた。
行定監督は、次のように綴る。
「洗練された絵作り。記憶の中にある言葉をリフレインさせる斬新な手法で、生きるエネルギーや現実と記憶を交錯させながらそこに映っていない事象を観客に想像させ救済する。
私はこの短い作品の中に、たくさんの映画的な情緒を発見し、愛しく思った」
渡辺は、[4:3/2:1] に寄せてと題し、次のようにコメントする。
「女が欲しいものは何だったのか。
日曜日の女は本当に夫の浮気だけが原因でそこから離れるのだろうか。
リンゴの女の本当に果たしたかったことは何だったのか。見ているうちに、彼らが自分の横をすり抜けていったように、もしくは私が彼らの横をすり抜けたように錯覚する。
スケッチされた道端は私の知ったような道端に思える。最後にはストンと物語から上手に突き放される。
私の頭も心も追いついていないのに、何だか理解はしている。多分、身体の中で。
あくまでも男が見た女の横顔なんだけど、あんな顔をしている女を女の私も知っている。気がする。そこがいい。
2021年、東京国際映画祭が更なる才能の発掘を目指して今年から設立されたAmazon Prime Videoテイクワン賞という部門にて、キム・ユンス監督作品『日曜日、凪』がグランプリを獲得した。私はその時の審査員の一人だった。キム監督が、できたばかりの、この賞をきっちり引き受けてくれるだろうと、長い話し合いの末に結果がでた。たった今だけじゃない、もっと、もっと先の未来でも縦横無尽に活躍するんじゃないかと私は思っている」
『日曜日、凪』(本編19分)
離婚を決めた秋子(大場みなみ)と幸一(安藤理樹)が離婚届を前に向かい合って座る。そこへ友人の三浦(小林竜樹)が訪ねてくる。三浦はビリヤードのキューを見せに来る約束を幸一としていたのだ った。キューを試すために3人はビリヤード場へと出かける。そこで幸一は離婚することを三浦に打ち明ける。ビリヤード場、赤いジャージの男、飲みかけの缶ビール、思い出話と土曜日の夜──。ドラマ『僕の姉ちゃん』(テレビ東京放送予定、Amazon Prime Video先行配信中)、舞台『ロマンティックコメディ』の大場みなみが存在感をみせる。
『リンゴをかじる女、風を売る男』(本編47分)
大きな橋の下。リンゴを持った1人の女、Y(清水葉月)が何かを持っている。そこへ1人の男、M(タマキリョウ)がやって来る。YはMにお金の入った封筒を差し出すが、Mは受け取らない。その代わりにMはYにタブレットの画面を見せる。そこにはこう書かれてあった。「これから3つの課題を出します。クリアすれば、あなたに売ります」。YはMから提示される3つの課題に挑むのだった……。
「金允洙 短編作品上映[4:3/2:1]」は、6月3日・4日・5日の3日間、東京・渋谷のユーロライブで開催される。
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