吉岡秀隆、高倉健ばりのシーン思い浮かべるも、山田監督のひと言に気をそがれる
名匠・山田洋次監督が82作目にして初めてラブストーリーに挑んだ『小さいおうち』。この映画が1月25日に公開となり、丸の内ピカデリーで行われた初日舞台挨拶に山田監督をはじめ、松たか子、黒木華、片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子が登壇した。
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同作は昭和初期に、東京郊外に佇む赤い屋根の小さな家に奉公していた女中のタキが、そこで目撃したある恋愛事件を、60年の歳月を経た平成の時代に自叙伝を執筆しながら振り返っていくという物語。
この家に住む平井家の奥様・時子役を演じた松は「山田監督とのお仕事は本当に楽しかったです。こうして初日を迎えられたことを嬉しく思っています」と挨拶。平井家の女中・タキ役を演じた黒木は「撮影を開始したのは1年も前になるのですが、監督とのお仕事がとても楽しくて、今でも鮮明に思い出すことができます」と振り返った。
時子の夫・雅樹役の片岡は「普段は女方をつとめている片岡孝太郎です」と挨拶すると、「今回は髭をはやして、ちょっと嫌な感じのおっちゃん役でしたが、いかがだったでしょうか? この後、歌舞伎座で公演がありますので、そちらにもぜひお越し下さい(笑)」と歌舞伎もアピール。
時子の恋の相手・板倉正治役の吉岡は、時子と雅樹の息子の恭一との別れのシーンがとても重要だと思っていたそうで、「『遙かなる山の呼び声』のなかの高倉健さんとの別れのシーンを思い起こさせるシーンだったので、僕の心のなかには高倉健さんがいたのですが……」とコメント。
このシーンで吉岡は恭一に「しっかり勉強して賢い大人になるんだよ」と声をかけるのだが、本番直前に山田監督が「恭一君が20年後に寅さんになっちゃったらおかしいよね。街でバッタリ会ってさ、『あっ板倉のおじちゃんだろ、あの時しっかり勉強して賢い大人になるんだよって言われたけどこんなになっちゃった』なんて言ったら、さぞかし楽しいだろうね」と話したことを明かすと、「そこで『本番』のかけ声がかかったので、僕の心のなかの健さんがいなくなってしまいました」と語り、笑いを誘っていた。
また、それから60年の歳月を経て、平成の時代にタキと一緒に当時を振り返っていくタキの親類の青年・荒井健史役を演じた妻夫木は「僕は倍賞さんと一緒のシーンが多くて過ごす時間が長かったのですが、倍賞さんが本当に素晴らしい人で、本当のお婆ちゃんだったらいいのにと思っていました」とコメント。これに倍賞が「本当のお婆ちゃんになってもいいのよ(笑)」と返し会場を沸かせる場面も。
その倍賞は「妻夫木君と一緒のシーンが多かったので、妻夫木君が彼女を連れてくるシーンでは本当に嫉妬しましたね」と笑顔で話していた。
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