トム・クルーズが5月23日、都内で実施された主演映画『トップガン マーヴェリック』の来日会見にプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーと共に出席。自身について「夢を生きることができている幸せな人間」と表現した。
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トム・クルーズ「自分の人生は常に映画と共にある」
トムは100以上のメディアを前に「皆さんこんにちは。ジェリーと私は前作を作ってから36年が経ち、この作品をお届けするのに(コロナ禍で)2年待つことになりました。何年も日本に来られていませんでしたが、また必ず日本に行くからね! とずっと言ってきたので、この作品と共にまたこうして来ることができて感動していますし、皆さんに見ていただけるのでとても興奮しています。大きなスクリーンで楽しんでもらうためにこの作品を作りました」と挨拶。
なぜ本作を作ったのか、という点に関して「それはファンの皆さんのためです」とキッパリ。「多くの方々から何十年もこの作品の続編を求めてもらいましたが、まだ私には準備ができていなかったんです。刺激的な時間も多く、やりたいこともたくさんあって、正しい続編とは何なのかをきちんと見つけなくてはいけなかった。戦闘機のコックピットに座っているような体験と、エモーショナルなストーリー、そのすべてが正しく揃ったから作ることができました。映画に対する情熱がさらに高まっているジェリー・ブラッカイマーという、伝説的なプロデューサーと一緒に、ストーリーへの愛、映画への愛を込めて、最先端の技術も駆使しながらキャラクターが中心にある作品をお届けしようと思っていました。単に1本の映画を作ったのではなく、自分の限界をもっと超えるチャレンジをして、もっと観客の皆さんに楽しんでもらいたい思いで作りました。“生きること”を讃えるような映画になりましたし、皆さんが最初の『トップガン』をご覧になって胸を熱くしていただいたときのように、必ず皆さんを楽しませる作品です!」と話した。
ジェリーも「皆さん本当にありがとう。いつも日本に来るのは光栄なことですし、この作品を携えて、一番のビッグスターであるトムと一緒に来日できてとても嬉しいです。トム・クルーズと仕事をするのは“本物”でなくてはいけないんです。今回トムは3ヵ月間に及ぶ飛行トレーニングプログラムを監修して、他の俳優たちと取り組んだ。彼らは7〜8Gに耐えなくてはいけないので、耐性をつけるために段階を上げていった。1作目の時もトムや他の俳優たちを戦闘機に乗せたけど、使える映像だったのはトムだけ、他の皆は吐いて失神したんです(笑)。実際のパイロットと同じく、曲芸のような飛行をすべてリアルに体験しているんですよ。トムはこの36年の間に、映画界でも最高峰の監督や脚本家、俳優たちと仕事をしてきたので、彼の様々な経験と知識がすべて発揮されているのが『トップガンマーヴェリック』なんです」と語った。
戦闘機のコックピットの中に日本製の超高性能IMAXカメラを6台搭載したという前代未聞の撮影について問われると、トムは「前作でも、トニー・スコット監督が開発した5分ほどの映像が機内で撮影できる当時最新鋭のカメラがあったんです。自分で飛行機を操縦するときにも、どんな撮影ができるんだろうと10年以上も考えてきました。空撮の仕組みや、技術の進歩もあって、『バリー・シール/アメリカをはめた男』(17年)ではカメラを機体につけた撮影をしたり、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(18年)ではヘリコプターにぶら下がる空撮スタントもやったり、日々研究してきました。『トップガン』の続編では、いままで誰もやったことがないことをやらなくていけないですし、海軍にもこういった撮影の話を相談しにいったときには、一番重要なストーリーがあって、そのために視覚的に伝える必要があると説明したんです。撮影をして、撮影をして、また再撮影をして。そして私が映像をなかなか渡さないので、スタジオもなぜそんなにも何度も撮影が必要なのか理解してくれないんです、何をしているのか見えていなかったと思います。なので、短くまとめた映像を大スクリーンでスタジオの方に見ていただいたら、すぐに『オーマイガー、オーケー。進めてくれ』と言ってもらえた(笑)。複雑なんですが、いろいろな工夫を皆で取り組みました。長くなってすみません、何時間でも延々と語ってしまいます(笑)」と熱弁した。
ジェリーも続けて「一見すると楽勝にも見える映像になっているかもしれないんですが、全くそうではないんです。トムのように、素晴らしい経験があり、本物を追求する人間だからこそできることで、彼は朝早くから飛んでブリーフィングを行うんです。万が一事故につながってはいけないのでクリアしないといけないことも多く、SONYがこの作品のために開発した6台のIMAXカメラを狭いコックピットのなかに積み、俳優たちはコックピットの中で自分で撮影をするので、飛んでいる間はどんな映像なのか見られない。下りてきてチェックして、ディスカッションをして、そしてまた飛んで再撮影(笑)。地上、コックピットの中や外、別の飛行機からもカメラを向けて、同時に22台のカメラで撮影しているときもあった。非常に複雑で難しいことをやってくれました。多くの方は一度も行くことのない世界を体験できますよ。そして、それもほんの一部です」と伝説的なキャリアを誇るジェリーをしても未だかつてないプロセスを経ての撮影だったことを明かした。
さらに、この36年間を振り返る質問にトムは「シンプルですが、とにかく努力をすること、一生懸命に仕事をすること。夢を生きることができている幸せな人間なのです。世界中を旅して、異なる土地でその文化を体験できる映画を作ってきました。『ラストサムライ』というすばらしい作品もつくることができました。自分の人生は常に映画と共にあると思っていて、フィルムメイカーとして有能でありたいですね。この作品は前作と同じスピリットを感じていただきたかったので、1作目を皆でみていろんなことを話し合いました。常に観客の皆さんにどう楽しんでもらえるかを意識してきました」と目を輝かせ、ジェリーも「とにかく我々2人はこの仕事が大好きでやっている。常に、より良くしたい、最高のものにしないと気が済まないんですよ」と続けると、トムも「簡単な決断ではなかったんです、ずっと続編を求めてもらえて失望させたくなかった。このような時代だからこそなおさらですし、映画館で見る時には、(身を乗り出して)こうやって見て欲しいです!(笑)」。
予定時間をオーバーしてもなお、まだまだ話し足りない、聞き足りないことばかり。トムとジェリーは最後に写真撮影のために立ち上がったものの、カメラに手を振ることを忘れ、ステージ上でしばらく2人きりで話し込んでしまい、呼びかけに気づいたトムが「あ…! ソーリー、失礼しました(笑)」とおどけて会場を沸かせる一幕もあり最後の最後まで大盛り上がりだった。
『トップガンマーヴェリック』は5月27日より全国公開。
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