6月15日は、オウムとインコの日。06をオウム、15をインコと読ませる語呂合わせから制定された、人間のパートナーであるコンパニオンバードの幸せを願う日である。そこで今回は、オウムやインコが登場する2作品をご紹介しよう。
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岡田准一の頭の上に! 凄腕殺し屋のペットはインコ
最初にご紹介するのは、同名の漫画が原作となっている『ザ・ファブル』だ。漫画の実写版で必ず噴出する原作ファンによる論争や不平不満はさておき、純粋にアクション映画として楽しめる作品となっている。
その超人的な仕事っぷりから裏社会で一目置かれる殺し屋、通称ファブルこと佐藤を演じるのは岡田准一。子供の頃から殺し屋として英才教育を受ける特殊な環境で育ったせいで、一般人の「普通」の感覚がわからない。そんな彼に、組織のボスは「1年間人を殺さず一般人として普通の生活を送るように」と長期休暇を命じる。その餞別として、1羽のインコが手渡された。これまで散々人の命を奪ってきた男に、動物を育てることで「命の重さ」を知ってもらおうということらしい(殺し屋のボスの行動としては不可解ではあるが)。
佐藤の常識と一般の常識があまりにズレていて、一生懸命「普通」を演じているつもりが周囲の人には奇行と映る数々のギャップが笑いを誘う。そして、面倒なことに巻き込まれて超人的な戦闘スキルを発揮せざるを得なくなった佐藤のアクションシーンも見どころだ。「時給800円のフリーター」という世を忍ぶ仮の姿で必死に「普通」を追求する、殺し屋の姿を楽しんでほしい。
犯罪・恋愛・芸能活動~波乱万丈の“鳥生”を告白するオウム
映画『ポーリー』に登場するオウムのポーリーは、動物研究の対象として大学に拘束されている(あえて“拘束”と言わせていただく)。他の動物たちがいる研究室ではなく、なぜか彼だけポツンと地下の倉庫のような部屋に隔離されているのだ。その大学で清掃員として働き始めたロシアからの移民ミーシャは、ある日地下室から聞こえてくる不思議な歌声を耳にする。恐る恐る声の主を確かめに行くと、そこには1羽のオウムがいた。ロシアから単身渡米して言葉の壁を感じつつ孤独感を募らせるミーシャと、紆余曲折を経て大学の地下室にたどり着いたポーリー。人の言葉を真似るのではなく自分の意志を持って人と会話をするポーリーに驚きつつ、孤独な者同士お互いの身の上話が始まる。
ポーリーは元々マリーという少女に愛されて幸せに暮らしていたが、人間の身勝手さで彼女と引き離されてから波乱万丈の鳥生が始まる。人間の都合であちこちを転々としながら、時に人間のやさしさに触れ、ある時はショービズ界で働いて同僚のラテンガールと恋に落ち、ある時は人間に利用されて犯罪に手を染め、そしていつしか大学の地下室に辿り着いた。ポーリーの願いはただ一つ。かつての飼い主マリーと再会することである。
喋りすぎたことが各所で災いとなったポーリーに対し、ミーシャはら喋らなすぎたことで恋の痛手を負った過去がある。コメディタッチで楽しく鑑賞できるエンターテイメント作品だが、人間と動物の線引きとされる「言語能力=喋る事」について考えさせられる作品だ。果たしてマリーと再会するというポーリーの願いは叶うのか。ぜひその結末を見届けていただきたい。(T)
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