現代を生きるアイヌの姿を映し出す福永監督、海外で高い評価
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6・15リリース『アイヌモシㇼ』福永監督の思いとは
「ゴールデンカムイ」の実写化、北海道白老町にアイヌ文化施設「ウポポイ」がオープンするなど、先住民族「アイヌ」への感心の高まる中、現代を生きるアイヌを映し出し話題となった映画『アイヌモシㇼ』。コロナ渦での公開にもかかわらず3カ月にわたるロングランを記録した同作が6月15日にDVDとデジタル配信でリリースされた。
トライベッカ映画祭・国際コンペティション部門にて長編日本映画史上初の審査員特別賞や、グアナファト国際映画祭・国際長編部門での最優秀作品賞など各国で大絶賛された同作は、北海道・阿寒湖のアイヌコタンを舞台に14歳の少年の成長を美しい四季の景色や深い文化とともに描き、誰もが持つアイデンティティーのゆらぎや、地域コミュニティへの帰属意識を通してアイヌという先住民の物語を丁寧に描いた秀作だ。
メインキャストはアイヌの人々を中心にキャスティングし、主役のカントを演じるのは自身もアイヌの血を引く下倉幹人。強い眼差しで等身大の役どころを瑞々しく演じる。
また、『ドライブ・マイ・カー』(21年)で話題の三浦透子、リリー・フランキーなどが個性豊かに作品を彩る。
北海道出身の福永監督「アイヌを知ることは自分のルーツを見つめ直すこと」
北海道出身の新たな才能・福永壮志監督が、企画から5年をかけて作り上げた“ちかくてとおい、ぼくが住む町のお話”について、DVD封入ブックレットにコメントを寄せている。
「学校で読んだ歴史の教科書でアイヌについて書かれていたのはほんの少しで、アイヌを遠い存在に感じたまま思春期が過ぎた。その感覚が変わったのは20歳、アメリカに渡った後だった。ネイティブアメリカンについて興味を持つようになった自分が、生まれ育った北海道の先住民族であるアイヌについて何も知らないことにハッとし、恥ずかしく思った。いつかアイヌを題材にした映画を作りたいと思い始めたのは、大学を卒業してからまもなくのことになる。アイヌについて知ることは、自分が生まれ育った北海道、更には日本を知ることでもあり、自分のルーツを見つめ直すことにも繋がると思った」(一部抜粋)。
このDVDブックレットには、斎藤工が撮り下ろした主人公「カント」の写真も収められている。
また、特典映像には季節を通して撮影されたメイキングや、主演のカントと彼を包み込むような大きな存在「デボ」とのプレシューティングの様子なども収録され、制作された時間軸とともに作品の魅力を楽しむことができる。
「アイヌ」をテーマにしつつも、誰もが経験する思春期の自分探しを描いた同作には、多くの人を惹きつける魅力があふれている。
『アイヌモシリ』はDVD発売中、デジタル配信中。
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