浮気をきっかけに、不気味に崩壊していく家族の末路
#イタリア映画#ダニエーレ・ルケッティ#ヒューマンドラマ#アルバ・ロルヴァケル#ヴェネチア国際映画祭#ルイジ・ロ・カーショ#マッシモ・カンティーニ・パリーニ#靴ひものロンド
ヴェネチア国際映画祭オープニング作品『靴ひものロンド』
77回ヴェネチア国際映画祭〈オープニング作品〉、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞主要3部門ノミネートの『靴ひものロンド』が9月9日に公開される。このたび、劇中場面カットとダニエーレ・ルケッティ監督のコメントが公開された。
公開された場面カットは、ナポリとローマを行き来するある家族の姿を映し出したもの。
結婚し「一生添い遂げる」と誓い合い子どもをもうけたヴァンダ(アルバ・ロルヴァケル)とアルド(ルイジ・ロ・カーショ)。平穏な日々を過ごしていたが、突然のアルドの浮気の告白で生活は一転。この瞬間からヴァンダは時に激しくも、ゆっくりとそのバランスを崩してゆく──。
80年代の市井の人々のリアルクローズな、さり気なく目を引く登場人物の衣装にも注目だ。
ヴァンダ、娘のアンナ、アルドの愛人・リディアの差し色の赤色は特に印象的。衣装デザインを担当したマッシモ・カンティーニ・パリーニは、ジョー・ライト監督『シラノ』(21年)で本年度アカデミー賞〈衣装デザイン賞〉ノミネートが記憶に新しいが、『五日物語』『ドッグマン』『ほんとうのピノッキオ』とマッテオ・ガローネ監督と幾度となくタッグを組み、その他多くのイタリア映画の衣装を手掛けている。
さらには7月にクランクイン予定のアダム・ドライバーを主演に迎えたマイケル・マン監督によるエンツォ・フェラーリの伝記映画『Ferrari(原題)』にも抜擢され、活躍の場を広げている。
ダニエーレ・ルケッティ監督は、「わたしが最も関心があるのは、人間同士のつながりです。社会や政治的文脈を背負ったもの、もしくは私的なものに関わらず、人間関係を描くことで、単に“私たち”というだけではなく、”現代に生きる私たち”を語ることができるはずです」と、家族という最も身近な人間関係を描くことについて振り返り語った。
冷え切った老夫婦の末路は…
本作品の舞台は、1980年初頭のナポリ。ラジオ朗読のホストを務めるアルドと妻ヴァンダ、アンナとサンドロの2人の子どもたちの平穏な暮らしは、夫の浮気で終わりを告げた。家族の元を去ったアルドは、定期的に子どもたちに会いに来るが、ヴァンダはすべてが気にいらない。次第にヴァンダの精神状態は不安定になり、その行動もエスカレートしていく。衝突ばかりの両親の狭間で、アンナとサンドロは母に寄り添うのだった。混沌とした数年を経て、家族は些細なきっかけでふたたび共に暮らし始めるが……。月日は流れ、冷え切った関係のまま老齢を迎えた夫婦は、夏のバカンスへ。1週間後に自宅へ戻ると、家はひどく荒らされ、飼い猫は失踪していた──。
『靴ひものロンド』は、9月9日に公開される。
[訂正のお知らせ]
×『靴紐のロンド』
○『靴ひものロンド』
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