7月8日はナンパの日。男性誌『ポパイ』が、1991年の6月19日号でナン(7)パ(8)という語呂合わせを元に提唱した記念日だ。この日は、「見知らぬ異性を誘ってもいい日」と定義しているのだとか。そこで今回は、まるで息をするように自然に女性の心のすき間に入り込み、一気に距離を縮めてやすやすと一線を越えてしまう不思議な青年が主人公の作品をご紹介しよう。主役を演じるのは、志尊淳。彼とかかわる女性陣には、藤井美菜、夏帆、江口のり子といった顔ぶれが並ぶ。
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女心をくすぐる職ナシ・家ナシ男を志尊淳が演じる『潤一』
『潤一』は、直木賞作家・井上荒野の同名小説を元に映像化した作品だ。2019年に関西テレビの深夜枠で6話に渡って放送され、現在は各所で配信により視聴できる。
決まった家もなくほぼ無職のニート、潤一は、時に日雇いの仕事をするものの根無し草のようにフワフワと日々を暮らしている。どこに行ってもマイペースで、相手が誰であろうと敬語という概念があまりなさそうだ。いつも着古してヨレたTシャツを着て、たいていの場合シャツに汗がにじんでいる。そして足を少し引きずって歩く。潤一が語る足のケガの理由はなぜかその時々で変わるので、何が本当かはわからない。
潤一と女たちの出会いはいつも唐突だ。そしてその場所も、太極拳教室、病院の待合室、工事現場、道端など実にさまざまである。そしてかかわる女たちの年代も、下は10代から上は還暦越えと実に幅広い。高校生もいれば妊婦もいれば人妻もいれば未亡人もいる。相手の年齢や境遇にかかわらず、潤一は潤一で一貫していてキャラがブレない。そして、ガッつくでも媚びるでも甘い言葉をささやくでも強引に誘うわけでもないのに、ほぼ初対面に近い状態でベッドインに漕ぎ付けたり、ベッドインしないまでも心の隙間にスッと入り込んでしまう不思議な空気を漂わせている。
志尊淳がこの作品以前に演じてきた役柄からすると意外なキャスティングにも見えたが、結果として黒目がちで子犬のような彼のビジュアルは潤一役にピッタリだったのではないだろうか。足元にじゃれついてきたら無下にはできない子犬のような潤一の“何か”が、女性たちを惹きつける要因となっているのは間違いないからである。だがこれは、決してそう現実離れした話ではない。潤一のように、自ら誘うでもないのになぜかやすやすと女性を自分のペースに引き込んでしまう天性の“ナンパ師”は、現実世界でもたまに見かけることがあるのだから。(T)
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