A24最新ホラー『X エックス』タイ・ウェスト監督インタビュー
『ミッドサマー』のA24が贈る最新ホラー『X エックス』が7月8日より公開中だ。このたび、監督・脚本のタイ・ウェスト監督がインタビューにこたえた。
タイ・ウェストは、70年代80年代の低予算ホラーの手法を巧みに取り入れた映画『The House of the Devil』で筋金入りのジャンル映画マニアから“インディーズ映画の寵児”としてキャリアをスタート。そこから『インキーパーズ』『サクラメント 死の楽園』 といったホラー作品を撮り続けるほか、アダム・ウィンガード監督の『サプライズ』に俳優として出演するなど、まさにホラー畑を歩んできた。
そんな彼にとってホラー映画の最大の魅力とは、「実験的な作品を作れるジャンルであること」だという。
「あらゆることが試せて、クレイジーな映画にもリアルな映画にも挑戦できるし、観客がそれについてきてくれる。映画の作り手として、自らの世界を作り上げて観客に1時間半入り込んでもらえるのは特別なことなんだ」
なぜ今回ホラー作品の肝ともいえるヴィランを老夫婦にしたのかについては次のように語った。
「老夫婦をヴィランにしたホラー映画は今まで見たことがなかったからだ。また、多くの人は老人の能力を過小評価していて、この作品の登場人物たちのように彼らを甘く見ていると、その対価を払うことになるよ」
「老い」というテーマについても、次のように狙いを明かす。
「人間は必ず老いて死ぬもので、誰もが抱える恐怖だ。それに人は、若いときは“大人になったらすべて解決する”と考え、年を取ったら“もっと若ければうまくいったのに”と信じがちだ。そこには妙な悲しい皮肉があるし、多くの人が理解できるはずだから、クレイジーなホラー映画の核として持ってくるにはぴったりだと感じたんだ」
最後に、もし本作品の老婆・パールをこれまでホラー界に君臨してきた名ヴィランたちと対決させるなら!?という質問には、不敵な笑みを湛えつつ次のように答えた。
「やっぱり『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスかな。きっとパールなら倒せるよ。彼女を甘く見てはいけないよ、みんなの想像以上に強いんだ」
また、もしかしたら既にシリーズ化になることが発表されている3部作の中でパール vs レザーフェイスなんて夢の競演が?! 続報に期待だ。
学生と老人めぐる絶叫ホラー
作品の舞台は、79年、テキサス。女優のマキシーンとそのマネージャーであるウェイン、ブロンド女優のボビー・リンと俳優のジャクソンは、自主映画監督の学生RJと、その彼女で録音担当の学生ロレインと映画撮影のために借りた農場へ向かう。映画のタイトルは『農場の娘たち』。この映画でドル箱を狙う──野心むきだしの6人を待ち受けていたのは、みすぼらしい老人・ハワード。宿泊場所として提供した納屋へ案内する。一方、マキシーンは、母屋の窓ガラスからこちらを見つめる老婆・パールと目が合ってしまう……。
『X エックス』は公開中。
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