2015年のヒット作候補! 大本命は『スター・ウォーズ』、懐かし洋画のシリーズ復活に『テッド2』も注目

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『スター・ウォーズ』
(C) Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved
『スター・ウォーズ』
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2015年の映画界はどんな作品が話題になりそうか探ってみる。

最大の話題作が12月18日公開『スター・ウォーズ』だ。1999年〜05年にかけて公開された『エピソード1〜3』は、親子2世代を集客して大ヒット。今作は『ジェダイの帰還』以来、32年ぶりにハリソン・フォード(ハン・ソロ)、マーク・ハミル(ルーク)、キャリー・フィッシャー(レイア姫)が集結する話題性もあり、オールドファンを集めて再び大ヒットする可能性が高い。

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この他、冬にはトム・クルーズのスパイアクション映画『ミッション:インポッシブル5(原題)』と『007/スペクター』が控える。また邦画ではフジテレビの人気ドラマ『信長協奏曲』の映画版や、山田洋次監督・吉永小百合主演の『母と暮らせば』が控える。

冬以外でヒットしそうな話題作をシーズンごとに見てみる。

春休みは、『映画ドラえもん』の新作『のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』が本命と目される。続くのは、赤ずきん、シンデレラ、ラプンツェルなどおとぎ話の主人公たちが出演するディズニー製ミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』だ。

一方、邦画では、宮部みゆきのミステリー小説『ソロモンの偽証』が2部作で映画化される。昨年の『るろうに剣心/京都大火編』『伝説の最期編』をはじめ、近年は2部作公開がすべて当たっている。ただし、これまでの2部作はマンガ原作かテレビドラマの映画化で、小説は初めて。しかも製作・配給する松竹にとっても初の2部作で、同社の勝負作といえる。

『暗殺教室』は累計発行部数1100万部の大ヒットマンガの映画化で、監督は『海猿』シリーズの羽住英一郎。映画の製作にあたるフジテレビでは1月からテレビアニメ化も行い、映画公開を盛り上げる。

GW興行は、『名探偵コナン』の新作『業火の向日葵(ごうかのひまわり)』が一番手。続くのは、不朽の名作を名匠ケネス・ブラナーが監督する『シンデレラ』。『アナと雪の女王』の続編にあたる短編アニメーション『アナと雪の女王 エルサのサプライズ』が同時上映されるのが強みだ。またカーアクション映画『ワイルド・スピード/SKY MISSION』も控える。

夏興行は「邦画、洋画とも話題作が集中しており、近年になく盛り上がりそう」(映画関係者)。人気アメコミヒーロー映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、酒と女が大好きな毒舌テディベア人形が再び大騒動を巻き起こす『テッド2』が公開される。

久々に復活する洋画のシリーズも3作ある。主役をメル・ギブソンからトム・ハーディにバトンタッチして30年ぶりに復活する『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、14年ぶりに復活する恐竜映画『ジュラシック・ワールド』、そして12年ぶりにアーノルド・シュワルツェネッガーがターミネーター役を演じる『ターミネーター:新起動/ジェニシス』だ。

邦画では、累計発行部数4200万部を超えるメガヒットマンガを特撮監督として有名な樋口真嗣が2部作で実写化する『進撃の巨人』、木村拓哉主演の人気ドラマの映画化『HERO』、12年にアニメ『おおかみこどもの雨と雪』を大ヒットさせた細田守監督の新作『バケモノの子』がある。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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