河瀬直美監督がフランス芸術文化勲章シュバリエを受章し、1月7日にフランス大使館公邸で行われた叙勲式に出席した。日本人の女性監督が受章するのは初の快挙となる。
シュバリエとはフランス文化の発展に寄与する人々にフランス政府から与えられる勲章の1つで、日本では川端康成、近年では映画監督の北野武や歌舞伎役者の11代目市川海老蔵らが受賞している。
河瀬監督は初の劇場映画『萌の朱雀』(97年)でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞し、『殯の森』(07年)で同映画祭にてグランプリを受賞。2013年の同映画祭ではコンペティション部門の審査員もつとめている。また、最新作『あん』がフランスとの共同製作であるなどフランスとの縁は深い。
ティエリー・ダナ駐日フランス大使は「本日お集まりしていただいた主旨は、その世代のなかで最も優秀だと言われている河瀬監督に勲章を授与すること。日本とフランスの友好、とりわけ映画が1つの媒体となっていることを示す良い機会」と挨拶。続けて同監督作品がフランス国民に愛されている理由を「河瀬さんは作品に情緒的なものを入れることができるからではないか」と分析し、熱いハグとともに勲章を授与。固い握手を交わした。
一方、河瀬監督は、故郷の奈良県とゆかりの深い万葉集の大伴家持(おおとものやかもち)の言葉を引用し「新しき年の初めの初春の今日降る雪のいや重け吉事。新春に降る雪とはとても縁起のいいもの。それがたくさん重なって降ってきたらいいなと詠ったもの。奈良で元旦の日に家持が見たのと同じ風景を見た。そんな2015年の幕開けにこんな素晴らしい勲章をいただけることを大変嬉しく思います」と喜びを語り、祝福に駆けつけた多くの女優や俳優たちを見渡し、「支えて下さった出来事を1つひとつ思い出して感無量です」と涙ぐむ姿も見せていた。
河瀬監督最新作『あん』(公式サイト:http://an-movie.com/)はエレファントハウス配給で6月に全国公開となる。
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