【今日は何の日】美味しそう! ドラマティック!「イタリア料理の日」に目と心で味わう映画2選
9月17日は「イタリア料理の日」。日本イタリア料理協会が、イタリア料理の普及を目的に制定した記念日である。イタリア語で料理を意味する「cucina(クチーナ)」にかけた語呂合わせで、この日が選ばれたそうだ。そこで今回は、イタリアンレストランやイタリア料理が登場する2作品をご紹介する。
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舞台は実在するNYのレストラン! クセの強い人々の群像劇
最初にご紹介するのは、レストラン映画の名作とも称される『ディナーラッシュ』。ニューヨークのロウアーマンハッタン、トライベッカ地区の人気イタリアンレストラン「ジジーノ(監督のボブ・ジラルディ所有する実在のレストラン)」が舞台の一夜劇である。予約の取りづらい人気店だけに、店内は常に客でごった返して厨房は戦場だ。まるで実際のレストランをのぞいているかのような臨場感あふれる映像も魅力である。
裏ではギャンブルの胴元も行いマフィアとのトラブルに頭を抱えるオーナー、オーナーの父親と店の経営権や営業方針を巡ってギクシャクしている人気イケメンシェフ、腕はいいがギャンブル依存症で借金まみれのシェフなど、イタリアンレストランを舞台に様々な人物像が交錯する。一方、店内の客たちも個性豊かだ。高尚気取りが鼻につく画商の老紳士、ニューヨークで人気の女性料理評論家、店の経営権乗っ取りを企んで乗り込んできたマフィアの2人組など、どこか一癖あるキャラクターが目白押しである。
給仕をしながら客の軽口や皮肉を難なく交わすホールスタッフ達の会話も小洒落ている。日本のように「客は絶対」という感じで媚びない態度が小気味よい。都会的で洗練された映像で淡々と多様な人間模様を映し出していく中、物語は意外な結末を迎える。そこで観客はようやく、「これはサスペンスだったのか!」と気付くどんでん返しにご注目。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じる“生き方下手なシェフ”は幸せになれる?
2作目は、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが女性シェフを演じる『幸せのレシピ』だ。ドイツ映画『マーサの幸せレシピ』のハリウッド版リメイクである。こちらも舞台は、ニューヨークの人気レストラン。ケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は、腕は良いが客のクレームにマジ切れするなど生き方に関しては不器用なシェフである。それゆえ、オーナーからセラピー通いを義務付けられている。シングルマザーの姉が娘を連れてケイトの家に遊びに来る途中交通事故に遭い、姉が亡くなってしまったことからケイトの生活が一変する。生き方のヘタクソなシングルウーマンのケイトと、天涯孤独となった姪のゾーイの同居生活が始まるのである。
そんな中、姉の事故の影響で数日店を休んだのち出勤してみると、厨房では見知らぬ男性シェフ・ニック(アーロン・エッカート)が大音量でオペラを流してスタッフと談笑しながら楽しげに仕事をしているではないか! ケイトとは正反対の、人懐こく楽天的なニック。本場イタリアでの修行経験があり、イタリアンを得意とするシェフである。そんな水と油とも見える2人とゾーイを含めた3人の関係がどのように変化していくのか、その辺が見どころのヒューマンドラマだ。見終わった後は、『幸せのレシピ』というタイトルがしっくり腑に落ちて温かい気持ちになれること請け合いである。(T)
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