舞台は年間約6万件の誘拐事件が勃発するメキシコ!
知られざるメキシコの誘拐ビジネスの闇に迫り、我が子の奪還を誓った母親の、想像を絶する愛と執念の物語『母の聖戦』が、2023年1月20日より公開することが決定した。
・『その手に触れるまで』ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督
現代のヨーロッパを代表する名匠のダルデンヌ兄弟、『4ヶ月、3週と2日』(07年)でカンヌ映画祭パルムドールに輝いたクリスティアン・ムンジウ、『或る終焉』(15年)で知られるメキシコの俊英ミシェル・フランコがプロデューサーとして参加し、テオドラ・アナ・ミハイ監督の劇映画デビューとなった本作。犯罪組織に誘拐された娘を奪還するため、命がけの闘争に身を投じた女性の実話をベースに、ごく平凡なシングルマザーの主人公がたどる想像を絶する運命を映し出す。
ある日突然、娘を誘拐された主人公シエロは、容赦なく身代金をむしり取られ、たちまち孤立無援の極限状況に。誰にも頼れないことを悟ったシエロは、危険を顧みず犯罪組織への監視、追跡を行い、軍をも巻き込んで娘の捜索を繰り広げていく…。
年間約6万件の誘拐事件が発生するメキシコを舞台に描かれた、このセンセーショナルにして骨太な社会派ドラマは、決して裕福ではない庶民が犯罪組織に搾取され、警察にも取り合ってもらえない非情な現実を描き出す。全編にわたって主人公シエロの視点でストーリーが展開し、見る者を誘拐ビジネスの闇の奥深くへと誘い、この世のものとは思えない理不尽な暴力が渦巻く光景を目撃させていく。入念なリサーチが重ねられた、リアリスティックな眼差しに貫かれた映像世界の強度に息をのまずにいられない。母の深い愛情と強い怒りを描いた衝撃作であり、並外れた緊迫感がみなぎるクライム・スリラーが誕生した。
ポスタービジュアルは「娘は私が取り戻すー」というキャッチコピーとともに、凄まじい執念と強い意志を象徴する母親の姿が切り取られる。瞳に映し出されているものにも注目してほしい。とめどもない不安と喪失感に打ちひしがれた母親が、あらゆる苦難もいとわない不屈の捜索者、さらには怒りの復讐者へと変貌していく様子は必見だ。第74回カンヌ国際映画祭でワールドプレミアされ大反響を呼んだ本作は、第34回東京国際映画祭では『市民』というタイトルで上映され、審査委員特別賞を受賞した。
『母の聖戦』は2023年1月20日より公開。
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