世界で初めて盲ろう者の大学教員となった福島智の生い立ちを描く『桜色の風が咲く』が公開。ムビコレでは、田中偉登のインタビューを掲載中だ。
オーディションでは服を脱ぎ、目が見えない人の「入浴シーン」演じた
本作は、9歳で失明し、18歳で聴力も失いながらも勉学に打ち込み、盲ろう者として世界初の大学教員となった東京大学教授の福島智氏と、暗闇と無音の中にいる息子とのコミュニケーション手段“指点字”を編み出した母・令子さんの実話をもとにした物語。
田中が演じるのは、自らの運命を受けとめ、乗り越えていく強さを持つ智。過酷な境遇にいながら驚くほど明るく前向きであり、一方で内に苦悩と葛藤を抱える主人公の姿を誠実に、繊細に演じている。
智役のオーディションを受けようと思った理由を、「今まで僕が演じたことがない役だったということがあります」と話す田中。プレッシャーもあったというが、「逆にちょっとわくわくした感じがあって、挑戦したいと思いました」とオーディションに挑んだときの心境を振り返る。
田中は「目の見えない人の生活の一部を演じる」というオーディションの課題のため、毎日目を閉じて耳栓をして入浴。当日もその場で服を脱いで入浴するシーンを演じ、見事役を掴み取った。
撮影前には福島さんにも何度か会ったという田中。最初は「目が見えない、耳も聞こえない方とどうやってコミュニケーションを取ればいいんだろう、ちゃんと会話になるのかな」と不安もあったと言うが、実際に会ってみると「目が見えないこと、耳が聞こえないことを感じさせないぐらい本当に明るくて、冗談を常に言って、周りの皆がけらけら笑っているんです」と驚いたという。
さらに田中は「つらい話をしている時でもすごく笑顔で明るい声で話してくださって、その隙間にちょっと悲しい、苦しい感情が見えるぐらいでした」と福島さんの印象を語り、「逆にそういう部分をすごく丁寧にすくえたらなと思って、それを意識しました」と、福島さんの人柄を参考に役作りをしたことを明かした。
共演の小雪については、初め「怖いのかな。厳しいのかな」と思っていた田中。しかし、「全くそんなことなく、会った時からずっと本当のお母さんのように『体調どう?』『ご飯食べてるの?』と、本当にいろいろと気遣ってくださって」と話す。「僕にとっては“小雪さん”というより“お母ちゃん”の方がしっくりくるぐらいです」と小雪の意外な印象についても話してくれた。
インタビューではその他にも、田中の家族との関係についてや、俳優の仕事を始めたきっかけについても語っている。田中偉登のインタビュー全文はこちら!
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