稲垣吾郎主演×今泉力哉監督『窓辺にて』が東京国際映画祭コンペティション部門の観客賞を受賞
“等身大の恋愛模様”に加え、“好きという感情そのもの”を深く掘り下げる
今泉力哉監督が稲垣吾郎を主演に迎え、完全オリジナル脚本で描いた映画『窓辺にて』が、第35回東京国際映画祭コンペティション部門にて観客賞を受賞。今泉監督のコメントを紹介する。
・稲垣吾郎の無邪気な質問に監督が大弱り「ごまかしながら話しました」
今泉監督の17作目となる完全オリジナル作品『窓辺にて』は、美しくてちょっぴり可笑しい大人のラブストーリー。今泉組に初参加であり、数々の映画やドラマなどで唯一無二の存在感を放つ稲垣吾郎を迎え、今泉ワールドの特徴でもある“等身大の恋愛模様”に加え、これまで以上に“好きという感情そのもの”について深く掘り下げる。
フリーライターの市川茂巳は、編集者の妻・紗衣が担当の売れっ子小説家と浮気しているのを知っている。しかし、それを妻には言えずにいた。また、浮気を知った時に自分の中に芽生えたある感情についても悩んでいた。
ある日、とある文学賞の授賞式で出会った高校生作家・久保留亜の受賞作「ラ・フランス」の内容に惹かれた市川は、久保にその小説にはモデルがいるのかと尋ねる。いるのであれば会わせてほしい、と。
稲垣演じるフリーライター市川茂巳の妻・紗衣役には、儚げな存在感で観客を魅了し続け、『母性』の公開が控える中村ゆり。高校生作家・久保留亜役に『ホリック xxxHOLiC』(22年)など話題作に引っ張りだこの玉城ティナ。市川の友人でプロスポーツ選手の有坂正嗣役に今泉監督作の常連で『街の上で』(20年)で主演を務めた若葉竜也。
この度、本作が第35回東京国際映画祭コンペティション部門にて観客賞を受賞。今泉監督の受賞の喜びの声を紹介する。
■今泉監督コメント
この度は、観客賞をいただきありがとうございます。私は東京国際映画祭のコンペティション部門は今回が2回目でして、それまでにも日本映画スプラッシュという部門で何度か参加させていただいております。
私は個人的な悩みや、小さな悩みに焦点を当てた恋愛映画を作り続けています。世界には戦争やジェンダーなど様々な問題がありますが、本当に小さな、映画の題材にならないような悩みや個人的な問題などを、恋愛を通じて、また、笑いやコメディ的なことも含めて描こうと思い、作品を作っています。
どうしても、映画や小説などでは、大きな問題を取り上げてそれについて語るという側面がありますが、自ら行動できない受動的な主人公だったり、見過ごされるような小さな問題について描きたいという思いがあります。
最初に野上さんが特別功労賞を受賞していた場面が、今日のクライマックスなんじゃないかと思いながら見ていたんですが、自分も作品を通して同じ舞台に立てていることを嬉しく思いますし、今後も映画監督を続けていければと思います。
また、今回ご一緒した主演の稲垣吾郎さんが新型コロナウィルスに感染され、初日にも大事をとって登壇できない状況があります。まだまだ戦争だけじゃなくて、コロナもそうですし世界にはいろんな問題がありますが、ネガティブに全部とらえるわけじゃなくて、そこにある小さな喜びとか、そういうものについて、これからも自分なりにできることを考えていこうと思います。本日はありがとうございました。
『窓辺にて』は11月4日より劇場公開される。
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