傲慢な態度にキャメロン監督が放った最後通告とは?
1997年に公開されるや、上映時間3時間を超える大作にも関わらず当時の世界最高興行収入を記録し、現在でもオールタイムの世界興行収入のランキングで第3位に位置する『タイタニック』。レオナルド・ディカプリオがティーンのアイドルから一躍、大スターの座に登りつめた作品だが、実はオーディションでは落選寸前だったことがわかった。
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アカデミー賞作品賞や監督賞をはじめ11部門を受賞した同作を手がけたジェームズ・キャメロン監督は「GQ」誌のインタビューでオーディションの様子を語った。
「ミーティングは面白かった。会議室に座って俳優が来るのを待っている時に周囲を見回したら、オフィスの女性たち全員が“ある理由”でそこにいた。製作総指揮者の女性がいるのはわかるが、会計士まで(笑)。みんなレオに会いたかったんだ。あれは面白かった。周りを見て、『答えはもうわかっている気がする』と思った」と、キャメロンもこの時点でディカプリオを主人公のジャック役に有力視していた。
とはいえ、すでにヒロイン役に決定していたケイト・ウィンスレットとの演技の相性を確かめる必要がある。そこで、数日後にウィンスレットも参加するミーティングを再度セッティングした。
ディカプリオは前回のミーティングで手応えを感じていたらしく、再度呼ばれたのはウィンスレットとの顔合わせだと思っていたようで、キャメロンから台本の読み合わせをするように言われると、「読むってことですか?」と尋ね、キャメロンがそうだと答えると、なんと「あ、僕は読みません」と言った。
そこでキャメロンが「そうか。来てくれてありがとう」と言って握手すると、ディカプリオは驚いたように「待って、待って、待って。もし読まなかったら、僕は役を得られないんですか? そういうことですか?」と聞いてきた。そこでキャメロンは「ああ、そうだ。もちろん。これは超大作で、私の人生の2年をかけて作る。私がポストプロダクションなどをしている間に、君は他に5本は作品に出演できるだろう。だから、キャスティングで間違った判断をして、映画を台無しにすることはしない。だから君は脚本を読むか、この役を逃すかだ」と伝えたという。
ディカプリオが体をのけぞらせながら「ああ〜、わかりました」と答えた様子を再現したキャメロンは、読み合わせの場にやって来たディカプリオについて次のように語った。
「部屋に入ってきた彼の存在すべてからネガティブな雰囲気が漂っていた」という。だが、「それは私が『アクション』の声をかけるまでのこと」。
「彼は一瞬にしてジャックになった。そしてケイトも輝きはじめ、2人とも世界に入り込み、彼はそのシーンを演じた。暗雲が立ち込めていたところに一筋の太陽の光が降り注ぎ、ジャックを照らした。私は『よし、彼だ』と思った」とキャメロンは当時を振り返った。
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