(…前編より続く)
▲【4位予想】『レインツリーの国』
人気作家・有川浩の同名小説を「Kis-My-Ft2」の玉森裕太主演、ヒロインにモデル・歌手・女優とマルチな活躍を見せる西内まりやを迎え映画化。ある小説をきっかけに出会った男女の切ない恋模様が描かれている。
有川浩原作・三宅喜重監督のタッグは、『県庁おもてなし課』(13年/東宝)、『阪急電車 片道15分の奇跡』(11年/東宝)がある。『県庁おもてなし課』は全国293スクリーンで公開され、初週土日動員9万8000人、『阪急電車〜』は関西地区先行上映という変則公開だったが、ランクインしている。
本作は約190館での公開。配給が東宝からショウゲートに変わったこと、20代の男女を描いた恋愛映画と、上記2作品よりはターゲット層が狭いという部分がどう数字に影響するか。『県庁おもてなし課』の75%、7万3000人ぐらいが予想されるが、玉森が所属する「Kis-My-Ft2」は、本作主題歌「最後もやっぱり君」でオリコン週間シングルCDランキング15作連続1位を記録するなど人気があり、上振れの可能性も十分ある。
・【週末シネマリサーチ】(前編)AKB島崎遥香の主演作『劇場霊』公開、前田敦子『クロユリ団地』の数字を超えられるか!?
▲【5位予想】『リトルプリンス 星の王子さまと私』
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名作「星の王子さま」を長編アニメーション映画化。現代に生きる少女と、若い頃に不時着した砂漠で出会った星の王子さまとの思い出を語る老飛行士との交流を描く。日本語吹き替え版には、高視聴率を記録しているNHK連続テレビ小説「あさが来た」で主人公・今井あさ(波瑠)の幼少期を演じた鈴木梨央をはじめ、瀬戸朝香、津川雅彦、伊勢谷友介、滝川クリステル、竹野内豊ら豪華キャストが顔を揃える。
製作本国のフランスでは、公開初週に興収約330万ドルを記録。全世界でも9月現在で6520万ドルを超えるヒットとなっている。日本では約150館での公開。原作の知名度や心温まるストーリーなど、ヒットの要素はそろっている。毛色は違うが『映画 ひつじのショーン 〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜』(15年/東北新社)がほぼ同数の上映館で、初週土日動員9万3000人を記録した。本作も7万-9万人の動員は期待したい。
△【8位予想】『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』
スーザン・コリンズのベストセラー小説を映画化した『ハンガー・ゲーム』シリーズの完結編。カットニス率いる第13地区の反乱軍と、独裁国家パネムとの最後の戦いを描く。
今年6月に公開されたシリーズ最終章の前編『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』が、公開3日間の興収で、13年に公開された『ハンガー・ゲーム2』を上回るなど、勢いを盛り返した感のある本シリーズ。「完結編」は数字をあげる傾向もある。本作は約170館での上映。3万-5万人の動員は大いに見込めるだろう。
【注目シネマ】
*『Re:LIFE リライフ』
『ラブソングができるまで』のマーク・ローレンス&ヒュー・グランドのタッグで贈るヒューマンストーリー。アカデミー賞脚本賞を受賞するほどの人気脚本家が、スランプに陥り、公私ともにどん底に落ち込みながらも、人生をやり直そうとする姿を描く。
日本でのヒューの人気は非常に高い。サラ・ジェシカ・パーカーと共演した『噂のモーガン夫妻』(10年/ソニーピクチャーズ)は7位、ドリュー・バリモアとの共演が話題になった『ラブソングができるまで』(07年/ワーナー)が8位、『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ(01・05年/UIP)、『ラブ・アクチュアリー』(04年/UIP)、『ノッティングヒルの恋人』(99年/ギャガ・松竹・ヒューマックス)が共に初登場2〜3位になるなど安定感は抜群だ。本作は約20館での上映と、さすがにランキングに食い込んでくる可能性は低いだろうが、秋の夜長にはピッタリの大人の人間ドラマは、多くの人の共感を得ることだろう。
(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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