(…前編より続く)
○【2位予想】『母と暮せば』
広島を舞台にした戯曲「父と暮せば」を世に送り出した井上ひさしが、対になる作品として熱望していた思いを、山田洋次監督が映画化。吉永小百合と嵐の二宮和也が母子を演じる。
山田洋次監督&吉永小百合のタッグと言えば、近年では『おとうと』(10年/松竹)があるが、初週土日動員21万8000人、興収2億3000万という好結果を残した。また吉永主演映画は『ふしぎな岬の物語』(14年/東映)が全国286スクリーンで初週土日動員15万2000人、『北のカナリアたち(12年/東映)』が全国330スクリーンで、初週土日動員16万5000人という数字を出している。
ほぼ大崩れすることがない山田洋次監督作品。しかも本作では、こちらも多大な集客力を持つ吉永&二宮という人気俳優が共演。上映館数は約330館とそろっており、『おとうと』と同等もしくはそれ以上の集客も見込める。
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▲【4位予想】『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』
2015年10月から放送されている『仮面ライダーゴースト』と前作『仮面ライダードライブ』がコラボした「MOVIE大戦」第7弾。
お正月映画として人気を博している『MOVIE大戦』シリーズ。第6弾『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武(ガイム) MOVIE大戦フルスロットル』(14年)は全国307スクリーンで公開され、初週土日動員16万6000人、第5弾『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武(ガイム)&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』(13年)が全国284スクリーンで公開され、初週土日動員19万6000人。
本作の劇場公開数は約300館。公開規模は過去シリーズともほぼ同じ。今夏に公開された『劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』も初週土日動員17万人を記録しており安定感は抜群だ。15〜20万人は固い数字だろう。
【注目シネマ】
*『わたしはマララ』
ノーベル平和賞を受賞した17歳の少女マララ・ユスフザイに迫ったドキュメンタリー映画。タリバン政権支配下にいた少女は、自身の暮らしや教育事情をブログやドキュメンタリー番組出演により発信し始める。そのことにより、命を狙われる身になったマララは、下校途中に銃撃され瀕死の重傷を負ってしまう……。
史上最年少でノーベイル平和賞を受賞したことで、世界的に有名になったマララの思いを綴ったドキュメンタリーは、人々に衝撃と感動を与える。10月11日には、「国際ガールズ・デー 日本初特別試写会」が実施され、ジャーナリストの池上彰氏が出席。作品を鑑賞し涙を流したことが大きく報道された。上映館数は約30館と少ないが、話題性は十分。多くの人に見てもらいたい作品だ。(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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