【映画を聴く】鈴木慶一・前編
現存する日本最古のロック・バンド中心人物にして
北野映画の立役者という多彩すぎる活躍ぶり!
昨年、ミュージシャン生活45周年を迎えた鈴木慶一。その名前だけを聞いてピンとくる映画ファンはそう多くないかもしれないが、子ども向け音楽番組『ムジカ・ピッコリーノ』で真っ赤な山高帽を被ってギターを弾きまくっている白髪&白顎髭のおじさん=リヒャルト船長、と言えば子育て世代のお父さんお母さんには分かってもらえるかもしれない。
現存する日本最古のロック・バンドと言われるムーンライダーズの中心人物。その前身となるバンド、はちみつぱいは、大滝詠一や細野晴臣を擁したはっぴいえんどと並ぶ日本語ロックのオリジネイター。高橋幸宏とのTHE BEATNIKSや、KERA(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)とのNo Lie-Sense、最近ではControversial Sparkといった数々のプロジェクトを掛け持ちし、音楽プロデューサー/作詞作曲家として多くのシンガーやアイドルに楽曲提供も行なっている。懐かしいところでは、1980年に宮崎美子が水着に着替えるCMで使われて話題になった「いまのキミはピカピカに光って」も彼の作曲だったりする(作詞=糸井重里/歌=斉藤哲夫)。
さっき彼の名前を聞いて「ピンとくる映画ファンはそう多くないかも」と書いたが、実際には数多くの映画音楽も手がけており、北野武監督作品の『座頭市』『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』『龍三と七人の子分たち』、それに『ゲゲゲの女房』やアニメ『東京ゴッドファーザーズ』『聖☆おにいさん』など話題作のサウンドトラックがずらりとディスコグラフィに並ぶ。それらすべてがバンドマン、ソロ・ミュージシャンとしての余技を超えたクォリティを持っており、バンドやソロでは聴けないアプローチを聴くことができるので、熱心なファンも決してスルーすることができない。
中でも『座頭市』では、農民が土を耕す音や大工が家を建てる音で一定のリズムを作り出して映像とシンクロさせたり、大団円で祭囃子にタップダンスやハウスミュージックの要素を取り入れるなど作品への貢献度が高く、日本アカデミー賞の最優秀音楽賞を受賞している。(後編「伝説のはちみつぱいを再結成」へ続く…)
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