第69回カンヌ国際映画祭での正式上映のために、映画『マネーモンスター』に出演するジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツ、監督をつとめたジョディ・フォスターがカンヌ入りし、現地時間5月12日に行われた記者会見やレッドカーペットといった公式イベントに参加した。
本作は、人気財テク生番組『マネーモンスター』が突然ジャックされ、犯罪現場が全米生中継されてしまうというサスペンスドラマ。ロバーツ主演作品がカンヌ映画祭で公式上映されるのは今回が初めてで、この夜が彼女にとってカンヌのレッドカーペット初体験となった。一方、フォスターのカンヌ初体験は今から40年前にパルムドール大賞を受賞した1976年の『タクシードライバー』。自身の監督作がカンヌで上映されるのは2011年のメル・ギブソン主演『それでも、愛してる』以来5年ぶり2回目となる。
記者会見でクルーニーはフォスターについて「信じられないほど才能のある監督だけでなく、信じられないほど才能ある俳優でもある。だから彼女は俳優たちとどういう風に話すかを心得ているんだ。ジョディは俳優たちが色んなことにチャレンジする安全な場所を作ることに長けている。例えば、すごくかっこ悪いダンスシーンとか(『マネーモンスター』でクルーニーはダンスを披露している)。ジョディの仕事の仕方は考えられ得る最もプロフェッショナルなやり方だ。俳優でもあり監督でもある人との仕事は、素晴らしい経験だった」とコメント。
ロバーツは「カンヌに来るのはこれが初めてよ。本当にここはクレイジーね。そして素晴らしいわ、映画の祝典ですもの。すぐ隣には親愛なる友人ジョージがいて、私がどこにでもついて回りたくなるようなジョディがいて。夢が叶ったわ! 素晴らしい以外の何ものでもないの」と興奮気味。
本作出演に至った経緯については「ジョージが脚本を送ってくれて、すごく気に入って、そしたら、ジョージが『OK、だったらジョディと話してくれ!』って。ジョディと私は電話で話して、2人ともとても興奮したわ。それから実際に、テレビ局のスタジオやコントロールルームで素晴らしい仕事をすることになったの。すごくハードワークだった。それが映画の中に現れているかわからないけど(笑)、でも私の心の中にはそう刻まれているわ。しかもジョディはそれを知っててくれている。私はただ、いつもジョディにいいところを見せたくて頑張っていたようなものね(笑)」と続けた。
フォスターは「カンヌにいるのは特別な時間だわ。(『タクシードライバー』で)初めてここに来たときはまだ12歳だった。あの頃はもっとカオスだったわ。フォトグラファーがあちこちにいて。長いこと俳優をやってきて、たくさんの映画を作ってきたけれども、俳優としての人生のまさにスタートだった。パルムドールも受賞したの。あれから40年たって、監督としてカンヌに戻って来られたことは素晴らしく名誉なことだわ。ここは作家主義の映画監督の場所だから。自分が尊敬する素晴らしい映画監督たちとこの場に立ててファンタスティックだわ!」と話した。
この日は正式上映終了後、約4分に渡る盛大なスタンディングオベーションが送られた。フォスター監督は涙をこらえた表情を見せ、ロバーツも目に涙を浮かべて初めてのカンヌに感激した様子。 本プレミアには、ジェシカ・チャステインやスーザン・サランドン、ナオミ・ワッツ、ジュリアン・ムーアらハリウッドの女優たちも駆けつけ、監督・出演者らを祝福していた。
『マネーモンスター』は6月10日より全国公開となる。
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