【独女のお勧め】
テーマ:お盆にオススメの親孝行映画(後編)
会話も弾む! 親子で見るのにオススメなのはコレ
●いい歳をした子どもたちへ
『海よりもまだ深く』
たとえどんな子でも、無条件でかわいいと感じるのが親ですが、そんな姿が描かれているのは、『海よりもまだ深く』。仕事でも家庭でも何をやってもダメな息子とそれを温かく見守る母のやりとりに思わず笑いと涙が込み上げてきます。
「自分も歳をとったな」と思うということは、それ以上に親は年老いているということ。だからこそ、優しくしようと思うものの、口を開けばついつい親子ゲンカになってしまうのも事実。とはいえ、年々小さくなっていく体をもっといたわってあげなければいけないと感じることありますよね? もし、離れて暮らしているのなら、時折訪ねてくる子どもたちの訪問を何よりも楽しみにしてるはずなので、たまには親の気持ちになって考えてみるようと痛感させれられるはずです。
よくある親子のやりとりに懐かしさを感じる人もいると思いますが、特に「いい歳して、まだ親に迷惑をかけているな」と思っている人にはオススメの“海よりもまだ深い親の愛”を感じられる1本です。
●死んでも死にきれない父の愛
『父と暮せば』
戦争という悲しい出来事が引き離した父と娘を描いた映画『父と暮せば』。誰よりも娘の幸せを願うがゆえに、死んでも死にきれない父が幻となって現れてきますが、たとえ死んだとして子を想う気持ちは変わらないもの。特に、今のような平和な時代にはつい忘れがちだけれど、いつまでも親がいることは当たり前ではなく、同じ時間を過ごせることがどれほどありがたいことなのかを考えさせられます。
たまに実家に帰ると、つい上げ膳据え膳でお世話してもらう人も多いと思いますが、たまには親においしい料理をつくってあげたり、お風呂の準備をしてあげたり、労ってあげてみては?
●ぎこちない会話の緩和剤はコレ!
『男はつらいよ』シリーズ
そして、最後にオススメしたいシリーズ作品は『男はつらいよ』。これは、親孝行したくなるというよりも、ぜひ親子そろって見てもらいたい映画です。渥美清さんの没後20年となる今年は、多くの特集なども組まれているので、家でのんびりしながら観るのにピッタリの映画。
実は私が子どもの頃に初めて父親に映画館に連れていってもらった思い出の作品でもあり、いまでもよく一緒に見ているのですが、親子で見ても変な雰囲気になることもなく、笑いが広がること間違いなし。会話が減ってきたなと思ったら、コミュニケーション手段としても最適な作品ですし、世代を超えて楽しめるはずです。
「この時代はあんなことをしていたなあ」という親の昔話も聞くことができるかもしれません。いまでは減ってきている家族や近所の人たちとの温かいやりとりを思い出すきっかけにしてみては?
以上、親孝行したくなる映画5選をご紹介しました。たまには、感謝の気持ちをストレートに伝えてみれば、親子の絆もより深くなるはずです。「親孝行したい時には親はなし」とはよくいったものですが、親孝行はいくらしても足りないものかもしれませんね。この夏は、ぜひたくさん親孝行をして楽しい思い出を作りましょう。(文:志村昌美/ライター)
志村昌美(しむら・まさみ)
映画宣伝マンとして洋画や邦画の宣伝に携わったのち、ライターに転向し、現在は映画紹介やインタビューなどを中心に執筆。イタリアとイギリスへの留学経験を経て、日・英・伊・仏のマルチリンガルを目指すべく日々精進中。ハリウッドの大作よりも、ヨーロッパ系の小規模な作品の方が気になりがち。
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