官能シーンも心情もしっかり描いた見事な実写化、丸木戸マキ原作『僕らのミクロな終末』
瀬戸利樹&中田圭祐W主演!『ポルノグラファー』スタッフが再集結
瀬戸利樹と中田圭祐がW主演を務める『僕らのミクロな終末』が全8話に渡り、放送された。原作は実写ドラマがヒットした『ポルノグラファー』シリーズで知られる丸木戸マキによる同名コミックで、監督・脚本も三木康一郎、音楽も小山絵里奈が担当し、『ポルグラ』スタッフが再集結。危なげない布陣による見事な実写化だったので紹介したいと思う。
・BLコミックを実写化衝撃作、原作者を直撃!『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』丸木戸マキ インタビュー
物語の舞台は隕石の衝突により滅亡寸前の地球という、“ド”が付くほどのSFな設定のファンタジーだ。でも、そこは丸木戸マキだから、アドベンチャーアクションとはならずに良い意味で丸木戸節の効いた心情描写たっぷりの恋愛ドラマとなっている。
主人公は地味なサラリーマンの仁科真澄。地球滅亡まであと10日と発表され、残された時間を静かに過ごそうと母校の大学図書館を訪れた際に、同級生の日下部律と再会する。律はかつて真澄を深く傷つけた“昔の男”だった…。
リップ音が響く官能シーン、もちろんベッドシーンも
真澄を演じるのは瀬戸で、『先輩、断じて恋では!』でも見せたいじらしくて一途で初な男を好演。しかも、今回は不憫で庇護欲を煽るキャラクターとなっている。律には中田が扮して、浮気して真澄と別れることになるようなクズ男を巧演。この律がただのクズではなく、脆さを内包して意外な健気さも見せる憎みきれない男である部分も中田は演じてくれた。律はただのクズではなく魅力的でなければいけないので中田の力量に感謝した。
そんな彼らのラブストーリーは1話目からリップ音が響きまくるキスをはじめ官能的なシーンも含めてガッツリと描かれた。さすが、安心の三木監督印と言える。リップ音はセクシーでドキドキとさせるだけじゃなく、安心感も与えてくれる。とかくBL好きは「これって萌えていいの? 萌えちゃってすみません」な気持ちを同時に抱えてることが多いが、このリップ音は「BL好きなみなさん、どうぞ萌えちゃってください!」という監督からのエールのように感じられて、二重の意味で嬉しくなった。さらに2話では濃厚なベッドシーンも披露してくれてより安心して萌えられた。
そして、彼らのラブストーリーだけではなく、アイドルオタクでピュアな男子高校生の広瀬遊馬、遊馬の好きなアイドルの嘉神まどかとその”自称妹”・めぐるが彼らに絡み、地球滅亡のカウントダウンの物語も繰り広げられていく。遊馬を富本惣昭、まどかとめぐるを一人二役で井手上漠が演じ、彼らもハマり役となっていた。
恋愛とファンタジーが融合、希望を感じさせる作品
みなそれぞれ心に傷を抱えながらも賢明に生きている等身大のキャラクターとして感情移入せずにはいられない。彼らが前向きになろうとする姿に見ている方もポジティブな気持ちになっていく。そして、真澄と律の恋の行方は? 果たして隕石の衝突で地球は滅亡するのか? 恋愛と壮大なファンタジーが上手く融合しながら展開。シリアスな切なさの中にユーモアを散りばめて、明るい希望を感じさせるドラマに仕上がっていた。見逃した方はFODでも全話見られるのでぜひ見てみてはいかがだろう。
さらに気に入った方は原作コミックの後日談となる番外編『僕らのミクロな終末 番外編 ‐僕らのミクロな日常‐』も電子書籍ストア等で配信されているのでチェックして欲しい。(文:牧島史佳/BLライター)
『僕らのミクロな終末』(全8話)は、FODプレミアムにて独占配信中。
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