黒木華、長屋暮らしは「無理かもしれない(笑)」江戸時代のご近所付き合いに触れ思ったこととは?

#せかいのおきく#寛一郎#池松壮亮#阪本順治#黒木華

photo/小川拓洋
photo/小川拓洋

名匠・阪本順治監督が、主演・黒木華、共演・寛一郎、池松壮亮で送る最新作『せかいのおきく』が公開。ムビコレでは、黒木華のインタビューを掲載中だ。

・『せかいのおきく』黒木華インタビュー

寛一郎、池松壮亮との共演は「つかず、離れずみたいな感じで心地よかった」

江戸末期、父親と長屋に暮らし、寺子屋で読み書きを教える武家の娘・おきくと、下肥買いの中次と矢亮は身分や立場の違いを超えて、心を通わせていく。そんなある日、22歳のおきくは喉を切られて声を失ってしまう。本作は、理不尽な現実を強いられながらもひたむきに、自分たちの世界を生きる若者たちを描く青春物語だ。

本作で、江戸時代の武家の娘であるおきくを演じた黒木。黒木は、「所作や品といった、武家の娘として育ってきた時間があったということを意識しました」と役作りで意識したことを語る。

阪本監督からは、おきくの動きについて「おきゃん」と指示があったという。黒木は、「現代で言うと、キャピキャピじゃないけど、ハツラツとしている感じ。バタバタするところは『もうちょっと大げさにやって』という演出がありました」とその意図を説明する。

現場では黒木自身が身振り手振りを考え、喉を切られて声を失ったおきくを演じた。着物で動きも制限されている中、「現代の動きになりそうになるので、めちゃくちゃ難しかったですね」と苦労したというが、「でも、あんまり考えすぎないようにしよう、と思ってやっていました」と意識しすぎずに演じたことを語った。

寛一郎、池松壮亮との共演は「みんなマイペースといいますか大人といいますか、独立してそれぞれの時間を持っているので居やすかったですね」と語る黒木。「みんなで話すときもあれば、それぞれ過ごしていたり。つかず、離れずみたいな感じで別に喋らなくてもいい、という感じが私は心地よかったです」と、程よい距離感で過ごしていたことも教えてくれた。

本作に登場する長屋の暮らしについて、「現代と一番違うのが近所付き合いかなと思います」と黒木は話す。「今は防犯の関係上、挨拶できなかったり、自分がどういう人なのか知られたくないと挨拶しない人もいますよね。でも、あの時代の生活は基本的に支え合うことで成り立っていて、コミュニケーションの取り方も違う。話もするし、他人だけど関係性も近い。不思議だけど、いいなと思いました」。

そう話す一方、黒木自身は「私は人見知りで、基本的に距離が近い人が苦手なので、無理かもしれない。(笑)」と、長屋暮らしは不向きであることも語った。黒木華のインタビュー全文はこちらから!

・[動画]黒木華、恋するは寛一郎。佐藤浩市との親子共演も/映画『せかいのおきく』予告編