『ミッドナイトスワン』『サバカン SABAKAN』が上位ランクイン
【Netflix TOP10】Netflixがオリジナル作品やライセンス作品を対象に、毎週の人気作品をランキングする「Netflix TOP10」。今回ピックアップするのは、「Netflix日本TOP10」(映画)から4位にランクインの『ミッドナイトスワン』。草彅剛主演の本作は、2023年5月2日から配信されるや否や2週連続で1位を獲得。今週3位で草彅が出演している『サバカン SABAKAN』(5月15日より配信開始)とともに韓国での劇場公開も決定し、再び注目度が高まっている。
・台本を読んで号泣『ミッドナイトスワン』草なぎ剛インタビュー
トランスジェンダー女性と育児放棄された少女の絆を描く
新宿のニューハーフショークラブで働くトランスジェンダーの凪沙(草彅剛)は、育児放棄された親戚の一果(服部樹咲)を預かることになった。養育費を条件に嫌々承諾する凪沙だったが、一果もまた、叔父と聞いていた凪沙の姿に戸惑いを隠せない。互いを理解できないまま共同生活を送る中、一果は偶然目にしたバレエのレッスンに強く惹かれて……?
「孤独な二人が寄り添う、世界で一番美しいラブストーリー」をキャッチコピーに描く本作は、『下衆の愛』(16年)、ドラマ『全裸監督』(19年)などで知られる監督・内田英治が脚本を手掛けたオリジナルストーリー。コロナ禍真っ只中の2020年公開にもかかわらずロングランヒットとなり、第44回「日本アカデミー賞」では、最優秀作品賞と最優秀主演男優賞(草彅剛)の2冠を獲得。トランスジェンダーとして葛藤する主人公と母親に捨てられた少女の絆を丁寧に描いた、心揺さぶる感動作だ。
草彅剛と服部樹咲の化学反応が生み出した傑作
生きづらさを抱えたトランスジェンダー女性を演じた主演の草彅剛は、直近Netflixでも話題となったドラマ『罠の戦争』ほか数々の人気作に出演し、その演技力が高く評価されてきた。本作は新境地となる役どころながらも自然体で演じられたようで、運命に抗いながら美しく生きようともがく孤高の存在を見事に憑依させた。
一方、草彅との共演を果たした一果役の服部樹咲は、本作で女優デビュー。バレエ経験が前提のオーディションで役を勝ち取った服部は、演技未経験ならではのナチュラルさが評価された。
内田監督いわく、自分から吐き出すだけでなく、受けて感化されるタイプの草彅と服部は、化学反応のように反応し合い、抜群の相性だったとのこと。また草彅も演技初挑戦の服部に対し、役を超えていとおしさのようなものを感じたそうで、一果と暮らす中で次第に母性を芽生えさせいく凪沙とマッチするところがあったようだ。
「孤独」という共通点を抱える凪沙と一果が、衝突を繰り返しながらもいつしかかけがえのない存在になっていく過程を、重々しくも美しく描いた本作。家族とは、本当の愛とは何かを考えさせられる傑作に仕上がった。(文:U)
[訂正]初掲載時の記事タイトルが「主演」になっていましたが、主演は『ミッドナイトスワン』のみですので、「出演」に訂正いたしました。お詫びいたします。
【Netflix日本Top10(映画)/5月15日~5月21日】
1位『キングダム2 遥かなる大地へ』
2位『ザ・マザー』
3位『サバカン SABAKAN』
4位『ミッドナイトスワン』
5位『キングダム』
6位『MEG ザ・モンスター』
7位『トップガン マーヴェリック』
8位『ハリー・ポッターと賢者の石』
9位『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』
10位『さがす』
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