探偵・伊藤沙莉と自称忍者・竹野内豊が宇宙人を追う!?
『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』舞台挨拶
『ミッドナイトスワン』(20年)の内田英治監督と、『さがす』(21年)の片山慎三監督がタッグを組んだ奇想天外な映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』。本作の完成披露舞台挨拶が5月31日に都内映画館で行われ、伊藤沙莉、竹野内豊、工藤大輝(Da-iCE)、内田監督、片山監督が登壇した。
・伊藤沙莉と竹野内豊が恋人に!? 共演作『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』に海外からも注目集まる
歌舞伎町のBAR「カールモール」のバーテンダーで探偵のマリコを演じた伊藤は、「企画立ち上げから長い時間をかけてやっと実現した作品なので、作品に入れることが嬉しかった」と喜び、「スナックのママがやりたかったので、役を通してやらせていただく職業として嬉しかった」と喜色満面だった。
マリコの恋人で自称忍者のMASAYAを演じた竹野内は、「現代劇なのに忍者!? どういう意味?と思った。僕自身がビックリ」と奇抜オファーに驚きながら、「なんといっても日本映画界で当代きっての個性派監督であるお2人がタッグを組んで映画を作る。それだけでワクワクする気持ちがあった」と内田監督&片山監督のタッグに期待があったことを明かした。
竹野内=忍者という発想について内田監督が、「雑談の中での悪ノリかな?」と言えば、片山監督は「言い出したのは僕です。役と合っていました」と太鼓判。伊藤は「やることなすこと可愛くて、竹野内さんがこれをやるんだ?というギャップを楽しみました」とニヤリ。当の竹野内は「衣装合わせの時に片山監督がゲラゲラ笑っていた」と照れながら語った。
東京の新宿歌舞伎町を中心にロケ。伊藤は「歌舞伎町ならではの何かしらの渦巻いている感じがあって、その空気感の中で撮れたのが嬉しかった。自分もよく来る街なので思い入れのある分、そこが舞台になるのが嬉しかった」と回想。竹野内も「新宿は日本のみならず、世界中から色々な文化や人種、エネルギーが集結する街。個性派監督の2人がそこでどんな映像を作り上げるのか興味深かった」と振り返った。
片山監督は新宿での撮影について、「カメラのルックも外国人のカメラマンが歌舞伎町を撮ったような画にしたかった。新宿は色々な時代を映す場所なので、現代の新宿を描きたかった」と狙いを明かし、内田監督も「伊藤さんと竹野内さんは歌舞伎町にはいなそうなイメージなのに、役者として歌舞伎町を歩くとメチャメチャ歌舞伎町にいそうな感じになった」と手応えを得ていた。
本作は日本に先駆けて世界の国際映画祭で上映され、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭では、主要部門のひとつ「ホワイト・レイヴン・アワード」を授賞。ポルト国際映画祭では「観客賞」を受賞した。多忙ゆえに海外の映画祭に参加できない伊藤は「全部行けていない…」と残念がるも、「脚本を読んだ段階で海外に行きそうだという期待感がありました。実際に作品が世界に旅立って評価されるのは嬉しい」と誇らしげ。
唯一海外の映画祭に参加した内田監督は、「ポルトガルの映画祭では劇場のドアを開けたら人が沢山いた。すごく盛り上がっていたので自信を持ちました。ウケを狙っていない冒頭シーンからドカンと笑いが起きていたりして、ここで笑いが生まれるんだと日本とは違う反応が面白かった」と海外オーディエンスの新鮮なリアクションを報告した。
さらに本作の主題歌「ハイボールブギ」の作詞作曲を担当した工藤がスペシャルゲストとして登壇。「映画からはポジティブなカオスを感じたので、楽曲を作る上ではカオスな楽曲にしたくて曲調を変調にしたり、歌詞もカオスを感じられるようにした」とこだわりを明かした。
主題歌「ハイボールブギ」について伊藤は「めちゃくちゃ素敵で聴いたときに痺れました。好きな曲調で先の読めない感じも好き。聴いていて単純に気持ちも上がりました。作品への愛を感じた」とお気に入りだった。
最後に竹野内は「今日が本作の初お披露目ということなので、多くの方々にSNSなどを使って感想を伝えてほしい」と観客に期待。伊藤も「自分にとって大切な作品です。色々なフィクションをかき集めるとこんなにノンフィクションな雰囲気が作られるんだと思った。どんな感想が皆さんから生まれるのか、私はエゴサーチ魔なので皆さんの感想はひたすらに追っています。口コミ等々でこの作品が広まるといいなと思っています」と反響を楽しみにしていた。
映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』は6月30日より全国公開。
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