フランスの名優ジャン=ピエール・レオが困窮状態に…ファンが支援を目的にクラウドファンディング開始
#ジャン=ピエール・レオ#ジャン=リュック・ゴダール#フランソワ・トリュフォー#ベルナルド・ベルトルッチ#大人は判ってくれない
フランスでは2021年、ジャック・ロジエ監督が自宅の退去を迫られたことも
フランソワ・トリュフォー監督の『大人は判ってくれない』(59年)で主人公の少年を演じて一躍脚光を浴び、その後もトリュフォーやジャン=リュック・ゴダール、ベルナルド・ベルトルッチなどの作品で活躍したフランスの名優、ジャン=ピエール・レオが困窮状態にあり、トリュフォー監督ファンの有志たちが医療費支払いなどの支援を目的にクラウドファンディングを始めた。
・トリュフォー映画の顔・俳優、『大人は判ってくれない』裏話語る
今年79歳のレオは、1960年代から70年代にかけてフランスのヌーヴェルヴァーグを代表する俳優として数々の名作に出演し、その後もアキ・カウリスマキやオリヴィエ・アサイヤス、台湾のツァイ・ミンリャンらの作品に出演。2016年、第69回カンヌ国際映画祭で長年の功績を讃える名誉パルムドールを受賞し、翌17年には諏訪敦彦がフランスで撮った『ライオンは今夜死ぬ』に主演した。
その頃から健康状態は万全ではなく、2018年に映画出演とウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』のフランス語吹替版に声の出演をして以降、新作はない。
今回のクラウドファンディングは「ジャン=ピエール・レオへの支援と感謝」と名づけられ、目標額は15,000ユーロ(約226万円)に設定されている。
彼らからのメッセージは以下の通り。
「1988年、シネフィル(映画愛好家)の友だちと一緒に『フランソワ・トリュフォー友の会(Amis de François Truffaut)』を立ち上げたとき、彼のお気に入り俳優であるジャン=ピエール・レオは、悲しみに暮れながらも私たちの第一歩を応援してくれました。今の彼は控えめながらも好意的に私たちのFacebook上のやりとりを見守ってくれていて、彼の妻ブリジットも熱心なメンバーです。
現在、ジャン=ピエールは、並外れたキャリアにもかかわらず、心身、そして物質的に困難な時期を過ごしています。この心配な状況を目の当たりにした彼の友人、セルジュ・トゥビアナ(映画批評家。フランス映画振興を担う団体「ユニフランス」会長)は、映画界の多くの人脈を動員し、彼らの寛大さに訴えることとしました。集まった資金はジャン=ピエールとブリジットに全額寄付され、彼らの医療、休養、そして行政や生活の支援に使われます。
私たちもジャン=ピエールに友情と感謝の連帯を示すことができるのではないかと思い、基金を開設することにしました。寄付は全て安全に、彼に寄付されます。
あなたの支援に感謝します」。
フランスでは2021年に『アデュー・フィリピーヌ』(61年)などで知られるジャック・ロジエ監督が賃貸契約更新を認められず、94歳にして妻と共に自宅の退去を迫られたことが報じられた。その際も有志による支援の呼びかけがあった。
ロジエは今年6月に入院先の病院で、96歳で死去した。日本では7月29日より、『アデュー・フィリピーヌ』ほかロジエ監督作6本のレストア版の特集上映「みんなのジャック・ロジエ」が開催される。
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