ハリウッド映画俳優組合がストライキに突入 期間中は撮影やイベントの参加・SNSでの宣伝活動も禁止に
#サイモン・ペッグ#ストライキ#ハリウッド#ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE#全米映画俳優組合
サイモン・ペッグは『ミッション:インポッシブル』来日中止を謝罪
ハリウッドで全米脚本家組合(WGA)が5月からストライキを続けている中、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)も14日(現地時間)からストライキに突入した。
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SAG-AFTRAはハリウッドで最大の組合であり、俳優、声優、アナウンサー、インフルエンサーなど16万人以上の組合員がいる。SAG-AFTRAはNetflix、パラマウント、ディズニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーなどが加入する映画製作者協会(AMPTP)と今年6月に契約更新期限を迎えたが、新たな契約の交渉を続ける中、12日深夜(現地時間)の交渉期限までに合意に至らず、ストライキに突入した。
ストライキ期間中はカメラの前での演技、歌唱、ダンス、スタント、カメラに映る航空機の操縦、人形劇、パフォーマンスキャプチャやモーションキャプチャ、オフカメラでのADR、TV予告編(プロモーション)、劇場用予告編、声の演技、歌唱、ナレーション(音声説明サービスを含む)、スタントコーディネートと関連する作業、リハーサルやオーディション参加(セルフテープを含む)といったものが禁止される。
出演作の宣伝ツアーやインタビュー、コンベンションやフェスティバルなどのイベント、プレミア上映会や授賞式、ジャンケット、ポッドキャスト出演やSNSの投稿なども含まれており、13日(現地時間)にロンドンで行われたクリストファー・ノーラン監督の『Oppenheimer(原題)』のプレミアでは、レッドカーペットに登場した主要キャスト(キリアン・マーフィ、エミリー・ブラント、マット・デイモン、フローレンス・ピュー、ロバート・ダウニー・Jr、ラミ・マレック)はストライキに連帯して、舞台挨拶には姿を表さなかった。
レッドカーペットでデイモンは米業界誌「Variety」の取材に、事前に話し合いをしたことを明かし、「ストライキが始まれば、誰もが連帯することになります。だから、私たちはレッドカーペットの時間を早めました。ストライキが招集されたら、私たちは家に戻ります」と語っていた。レッドカーペットは当初の予定より1時間前倒しで始まったという。
SAG-AFTRAは、配信サービスや人工知能の台頭による労働環境の変化を受けて、最低賃金の引き上げや労働条件の改善を求めている。手取り収入の減少と賃金がインフレに追いついておらず、配信サービスでは短いシーズンの番組が長期間配信されるようになり、俳優たちの受けられる仕事は減り、番組再放送に応じて支払われるロイヤリティにも頼れなくなった。
さらに、人工知能を具体的にどのように使用するかについて、スタジオや制作会社からの保証を求めている。すなわち肖像権の保護と、人工知能の訓練に俳優の仕事が使用された場合に十分な報酬が支払われることだ。
デイモンは先のレッドカーペットで、「これは働く俳優たちの問題です。健康保険に加入するためには2万6000ドル必要であり、多くの人々がギリギリのところにいる」、「これは生死に関わることなんです。早く解決することを願っている。労働停止は誰も望んでいませんが、公正な取引をしなければなりません」と語り、エミリー・ブラントも連帯の意を表明、ロサンゼルスに戻ったらデモに参加するかと尋ねられると「そう思います」と答えた。
アメリカでは20日(現地時間)からサンディエゴ・コミコンが開催されるが、SAG-AFTRAは組合員にコミコンでの宣伝活動を禁止し、不参加を勧めている。
彼らの交渉相手の1つであるディズニーのCEO、ボブ・アイガーは13日(現地時間)に米CNBC局の番組内で、SAG-AFTRAとWGAの要求について「現実的ではない」と切り捨て、パンデミックからの回復途中である業界にとって「混乱に拍車をかける最悪のタイミング」だとストライキを批判し、「非常に不愉快だ」と語った。
日本では17日にトム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のジャパンプレミアがあり、クルーズやキャストが登壇予定だが、ベンジー役のサイモン・ペッグはインスタグラムのストーリーで「今夜0時からストライキが始まるので、『ミッション:インポッシブル』の宣伝活動はここでストップします。
ソーシャルメディアへの投稿も、僕が日本に行くこともできません。日本のファンの皆さんにお詫びします」とコメント、「もしもあなたが俳優で、仕事を中断されてこの状況に怒りを覚えているとしたら、怒りを向ける先はSAGではありません。SAGは僕たちを守るため最善を尽くしています。これは簡単な決断ではなく、最後の手段だった。怒りは、この業界で僕たちが公平であることを保証するのを拒む人たちに向けよう」と呼びかけた。
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