磯村勇斗「綺麗事を捨て僕たちは向き合わねばならない」…実際の障害者殺傷事件をモチーフに描く衝撃作『月』予告編
穏やかな空気から一変「この国の平和のためにさ、障害者たちを…」
主演に宮沢りえ、共演にオダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみを迎え、石井裕也が脚本・監督を手がけた映画『月』より、特報映像とティザービジュアルを紹介する。
・「宮沢りえさんがとにかく凄まじいです」石井裕也監督が異様な熱気に満ちた自作映画について語った
原作は、実際の障害者殺傷事件をモチーフにした辺見庸による同名小説。事件を起こした個人を裁くのではなく、事件を生み出した社会的背景と人間存在の深部に切り込まなければならないと感じたという著者は、〈語られたくない事実〉の内部に潜ることに小説という形で挑戦した。
この問題作を映画化したのは、コロナ禍を生きる親子を描いた『茜色に焼かれる』(21年)、新作『愛にイナズマ』(23年)など、常に新しい境地へ果敢に挑み続ける映画監督・石井裕也。10代の頃から辺見の作品に魅せられてきた彼は、原作を独自に再構成し、渾身のパワーと生々しい血肉の通った破格の表現としてスクリーンに叩きつける。
特報映像は、穏やかなメロディーと共に重度障害者施設の日常から始まる。働き始めたばかりで真摯に仕事と向き合う洋子(宮沢りえ)、慣れた手つきで髪を結う陽子(二階堂ふみ)、入居者と心通わせるさとくん(磯村勇斗)が映し出される。
だが、「俺今夜さ、この国の平和のためにさ、障害者たちを殺すよ」。映像は一変し、人を傷つけることに対して否定する洋子に「人ってなんですか?」と問い正すさとくん。そしてついに、その日を迎えることとなる。
主人公・洋子を演じる宮沢の鬼気迫る表情、洋子を支える夫を演じるオダギリジョーの包容力とどことなく漂う諦め。施設で働く洋子の同僚を演じる二階堂は自我とプライドと闘い、そして「命」を裁こうとする“さとくん”に磯村が挑む。本作は「狂気」と一言で裁くことのできない問いを突きつける。
ティザービジュアルでは、1人1人の想いと倫理が交錯する一瞬の表情を捉えている。そしてキャストからのコメントは、この作品と一緒に想いを届けたい、一緒に何かを掴み取れればという切実な願いが込められている。
宮沢りえ
私が演じた洋子の心は、ずっと、今も私の中を旅しています。
この映画を見てくださった方と、その旅の先にある「何か」を掴みに行きたいです。
磯村勇斗
撮影期間中、「人」とは何か。「生きる」とは何か。ずっと考えていました。
その答えを出すことに、恐れさえ抱いていました。
でも、これは決して他人事ではなく、綺麗事を捨て、僕たちは向き合わねばならない。
今はただ、この映画を見てもらいたい。対面して欲しい。そう思っています。
二階堂ふみ
この作品について、ずっと答えを出せずにいます。
そして、答えを出すべきではないとも思ってます。
命に対して私たちは容易く傍観者になってしまう。しかしこの現実を真っ直ぐ見つめ、私たちの問題として考えたいと思い現場に参加させて頂きました。
オダギリジョー
人間は自分勝手で傲慢で、冷酷で残酷な生き物だ。
ただ、この作品が描いているのは、そんな人間の温かみであり、思い遣りであり、何ミリかの可能性である。全ての人間に突き刺さる未来への希望だ。
『月』は10月13日より劇場公開。
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