96年の映画『評決のとき』で重要シーンがカットされたと告白
Disney+で配信中のマーベルの『シークレット・インベージョン』に主演しているサミュエル・L・ジャクソンが、1996年の出演映画でカットされたシーンをめぐる複雑な思いを明かした。ジャクソンはそのシーンがアカデミー賞ノミネーションを受ける可能性があったと考えている。
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マーベル作品でアベンジャーズの創設者、ニック・フューリーを演じているジャクソンはアメリカのカルチャー・サイト「Vulture」のインタビューで、ジョエル・シュマッカー監督の映画『評決のとき』(96年)に出演した際に重要だと感じた場面が編集段階で「カットされた」と知った時にショックを受けたと語った。そのシーンを演じた時に、賞を受賞することができるのではないかと感じたからだ。
「彼らがカットしたものが、私をオスカー受賞から遠ざけたんだ。マジか? この野郎ども。 それを俺から奪ったな?」とジャクソンは当時の気持ちを率直に表現。彼にとっての撮影初日のシーンで、「私はもう1人の俳優がいる場でスピーチを行い、演じ終えた時にはセット中の全員が涙していた。私は『よし、俺は正しい方向に進んでいるな』と思った。ところが、そのシーンは映画には入っていない。なぜそのシーンがないのか、私は理解している。なぜなら、あれは私の映画じゃなかったからだ。彼らは私をスターにしようとはしなかったんだ」。
同作でジャクソンは、南部ミシシッピ州で10歳の愛娘に性的暴行をはたらいた白人男性2人を殺害した父親カール・リー・ヘイリーを演じている。カールの裁判を追う法廷劇で、マシュー・マコノヒーがカールの弁護士である主人公ジェイクを演じた。
ジャクソンは完成作を見た時、自分が演じたキャラクターの見え方が編集によって変わったと感じたという。
「彼らを殺したのは、もう彼らがこの世にいないこと、もう2度と彼らに痛めつけられることがないと娘に知ってもらいたかったからだ。私が彼女を守るためならばどんなことでもすることも知ってもらいたい。そういう気持ちを込めて演じたんだ」。だが、カールが娘に思いを伝えようとしたシーンは編集でカットされてしまった。「まるで私が男たちを殺してから、逃げるための手段を練ったように見えてしまった。それを見たとき、『なんてこった』と思っていたんだ」。
このように、撮影時に手応えを感じたシーンを本編からカットされたのは『評決のとき』以後も何度かあったという。
「他の映画でも、『なぜその瞬間を映画からカットした?』と思ったことはある。なぜなら、その瞬間は映画そのものより大きかったからだ」。
今年75歳になるジャクソンは1970年代から50年以上のキャリアを築いているが、オスカー候補になったのは『パルプ・フィクション』(94年)の助演男優賞のただ1度だけだ。そして2022年に生涯功労賞として名誉オスカーを受賞している。
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