第50回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞受賞も日本では劇場未公開
第50回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、その強烈で斬新な物語で全世界に衝撃と感動を与えた『Bad Boy Bubby(原題)』(93年)が、邦題『悪い子バビー』として公開されることが決定した。本作より本ビジュアルと特報映像を紹介する。
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ヴェネチア国際映画祭をはじめ数々の映画祭で評価され、海外メディアから「感動的で静かな格別な物語だ」(Film Written Magazine)、「ワイルドで予測不能、世界的な傑作」(HeyUGuys)と絶賛された本作。20ヵ国以上で配給されながら、日本では『アブノーマル』というタイトルでVHSが発売されていたのみ。そんな”日本だけが取り残されている状況”に終止符を打つ、待望の初公開が決定した。
「ドアの外に出れば、汚染された空気の猛毒で命を落とす」。そんな母親の教えを信じ、35年間、暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビー。身の回りのすべてを母親が管理し、ただそれに従うだけの日々を送っていた。
ある日、何の前触れもなく”父親”だと名乗る男が帰ってきたことをきっかけに、バビーの人生は動き出す。言葉、音楽、暴力、宗教、美味しいピザ…刺激に満ち溢れた外の世界に、純粋無垢なバビーが大暴走。行く先々で出会う人々を彼の自由で荒々しいスタイルに巻き込んでいく。
紹介する特報映像では、外気を恐れるバビーが、なんとガスマスク装着状態で登場。外に出るや否や車と衝突しかける場面から、街へ出て聖歌隊や子どもと笑顔で触れ合う姿や、ライブハウスでパフォーマンスをする様子が収められている。
ビジュアルでは、”なんちゃって牧師”の装いでスーツケースとマイクを片手にたたずむバビーの凛とした表情が印象的。「奇妙で、無情で、過酷でも、愛に溢れた人生。」というコピーもあるように、彼がさまざま人や音楽と出会う旅の道程や、行く先々での出来事に期待が高まる内容となっている。
オランダ生まれオーストラリア育ちのロルフ・デ・ヒーア監督が脚本完成までに10年以上の年月を要した本作は、予算や技術などすべてにおいて映画制作の”普通”に囚われない。バビーが生まれて初めて触れる世界を観客もそのまま体験できるように、撮影監督は合計32名が代わるがわる参加。観客は場面が変わるごとに異質な感覚を味わうことになる。また、「バイノーラルサウンド録音」で耳を刺激する音をリアルに再現するなど、一切妥協のない作品に仕上げている。
小さな作品ながらもヴェネチア国際映画祭に出品された本作は、一夜にして観客を魅了し、審査員特別賞ほか全3部門を受賞。その評判は瞬く間に各国へと広がり20ヵ国以上で上映、ノルウェーでは年間興行収入第2位にランクインする大ヒットを記録した。
『悪い子バビー』は10月20日より全国順次公開。
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